2017年4月 - 2020年3月
フランスにおける移民女性の社会運動とポストコロニアリズム―「承認も再分配も」
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
フランスにおいては当事者を担い手とするポストコロニアルな社会運動は2000年代になって活性化するようになった。本研究が対象とする「住宅への権利運動」に参加する移民出身の都市底辺層の女性は、旧植民地であるアルジェリア、マリ出身のムスリムの女性がマジョリティである。彼女たちは家にかかわることは女性の仕事であるというジェンダー規範に従って、住宅への権利運動に参加するが、空き家占拠などラディカルな運動を経ることで、新自由主義的な政策とみずからの社会経済状況を結びつけるに至る。分配の不平等を規定する人種差別についても、ポストコロニアルな主張により、政治的に存在が認知されるようになった。
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- 課題番号 : 17K04153
- 体系的番号 : JP17K04153