2021年8月 - 2023年3月
浮腫を有する高齢入院患者における新たな皮膚評価方法を用いた清拭プログラムの開発
日本学術振興会 科学研究費助成事業 研究活動スタート支援
本研究の目的は、浮腫を有する高齢入院患者の皮膚状態の評価方法を明らかにし、清拭プログラムの開発を行うことである。清拭は、入浴やシャワー浴ができない患者の皮膚を温かいタオルで拭き取り、清潔を保つ重要なケアである一方で、不適切な方法での実施は皮膚状態の悪化を助長するリスクもある。特に、浮腫を有する患者への清拭は皮膚状態への配慮が必要である。しかし、そうした対象者の皮膚について、機器を用いた方法による評価は困難であり、介入による効果や適切な清拭方法に関するエビデンスは乏しく、本研究を計画した。
2021年度の本研究の目的および計画は、65歳以上の心臓疾患患者を対象とし、浮腫を有する患者の皮膚状態の評価方法について検証する予定であった。しかし、COVID-19の影響により入院患者を対象とした研究の遂行が困難な状況であった。そのため、文献検討により国内外における定量的な浮腫状態の評価方法の実態とその妥当性を整理することに加え、健康成人を対象としたプレテストによりその実現可能性を検討した。その結果、エコーを用いた対象者の浮腫状態の評価は対象者の姿勢に大きく影響を受けることで再現性が乏しく、機器が熱を帯びることで皮膚状態の評価の交絡因子となり得ること、表皮における皮膚状態の評価の限界が確認された。この結果を基に皮膚状態評価のゴールドスタンダードである角質水分量および経表皮水分蒸散量の計測に加え、他の指標による評価のプロトコルとその妥当性を健康成人を対象に検討する必要があると考える。
2021年度の本研究の目的および計画は、65歳以上の心臓疾患患者を対象とし、浮腫を有する患者の皮膚状態の評価方法について検証する予定であった。しかし、COVID-19の影響により入院患者を対象とした研究の遂行が困難な状況であった。そのため、文献検討により国内外における定量的な浮腫状態の評価方法の実態とその妥当性を整理することに加え、健康成人を対象としたプレテストによりその実現可能性を検討した。その結果、エコーを用いた対象者の浮腫状態の評価は対象者の姿勢に大きく影響を受けることで再現性が乏しく、機器が熱を帯びることで皮膚状態の評価の交絡因子となり得ること、表皮における皮膚状態の評価の限界が確認された。この結果を基に皮膚状態評価のゴールドスタンダードである角質水分量および経表皮水分蒸散量の計測に加え、他の指標による評価のプロトコルとその妥当性を健康成人を対象に検討する必要があると考える。
- ID情報
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- 課題番号 : 21K21157
- 体系的課題番号 : JP21K21157