Profile Information

Affiliation
-
Degree
博士(工学)(東京都立大学)
工学修士(早稲田大学)
工学士(早稲田大学)

Other name(s) (e.g. nickname)
稻沼 實,稲沼 実
J-GLOBAL ID
201201060684466450
researchmap Member ID
B000219763

稻沼 實、稲沼 実は稲沼 實と同一人物
ここでは筆者の人生の区切りとして、現在までの略歴とその時点で関わった忘れ得ぬ人々を感謝を込めて記述します。この人々は重要な指導者であり、信頼できる友人・知人でもあります。筆者の不備により役職不明或いは誤りがあるかも知れません。ご容赦お願いいたします。また記述が漏れてしまった人々、氏名を思い出せない人々がいます。この人たちを含めて関わることが出来たことに改めて感謝致します。

1945年 茨城県西茨城郡岩瀬町今泉(現桜川市木植)に************長男として生まれる。********。幼稚園・小学校1年まで神奈川県大和市南林間で過ごす(友人に市川信男氏)。
1953年 東京都文京区立窪町小学校2年転校入学(川下安司氏(後の神港精機社長・会長・相談役)のご指導)
1961年 東京都文京区立第一中学校卒業、皆勤賞受賞(第一学年)(同級生友人に鈴木博之氏(現東京大学名誉教授・博士)(高校の同期生でもある)、1976年10月稲沼實の結婚式の司会者)
1964年 東京都立小石川高等学校卒業(同級生に故寺田脩六氏、宇野敏雄氏、石川盛士氏、川田章廣氏、間野純一氏、伊藤孝滋氏(中学の同期生でもある)、高塩仁愛氏、中村勉氏、同期生に大熊敏正氏(後の鹿島建築管理本部次長)、小林俊夫氏(後の鹿島技術研究所上席研究員・博士)、先輩に大橋欣治氏(後の鹿島専務執行役員、技術研究所長))
1969年 早稲田大学理工学部建築学科卒業、工学士(尾島俊雄研究室在籍、学士論文「冷蔵倉庫の環境調査」、同級生友人に小林信行氏(後の東京工芸大学長・博士)、葛岡典雄氏(後の鹿島建築設計本部次長)、堤泰之氏(後の鹿島設備設計部技術長)、浜田甚三郎氏、中山勇氏、更に後に知ることになるが大伴尚也氏(鹿島)、安藤治彦氏(鹿島その後日本設計))
1971年 早稲田大学大学院理工学研究科建設工学修士課程修了、工学修士(学位記 第180号)、鹿島建設(株)技術研究所入社(早稲田大学においては、木村建一研究室在籍、修士論文「ヴェネシャンブラインドの熱伝達機構に関する研究」、木村建一教授・博士、故井上宇一教授・博士、尾島俊雄教授・博士のご指導、先輩に工学院大学の中島康孝教授・博士、大林組の田中辰明氏(後のお茶の水女子大学教授・博士)、東海大学の田中俊六教授・博士(現名誉教授)、同級生友人に宇田川光弘氏(現工学院大学教授・博士)、猪岡達夫氏(現中部大学教授・博士)、石川幸雄氏(現三重大学教授・博士)、後輩に岡建雄氏(後の宇都宮大学教授・博士)、宿谷昌則氏(後の東京都市大学教授・博士)。鹿島においては、入社以来ご指導いただいた故松尾陽東京大学助教授・博士(後の東京大学名誉教授、明治大学教授)、上司に長友宗重博士(後の東北大学教授、鹿島専務)、古宇田潔氏(後の鹿島技術研究所副所長、東洋建設技術研究所長)、麦倉喬次氏(後の鹿島技術研究所次長・博士)、故小原俊平博士(後の鹿島技術研究所主席研究員)、早川眞氏(後の日本大学教授・博士)、古澤隆彦氏(後に鹿島横浜支店)、相楽典泰氏(後の北九州市立大学教授・博士)、故菅 眞一郎氏(後の部研究室長)、寒河江昭夫氏(後の鹿島技術研究所上席研究員・博士)、1年入社が早い安藤啓氏(後の上席研究員・博士)、後輩に二村敏隆氏、日野俊之氏(現博士)、金子千秋氏、戸河里敏氏(現鹿島技術研究所長、執行役員・博士)、荒井良延氏(現鹿島技術研究所主席研究員・博士)、部は異なるが入社同期の千田洋氏(後の鹿島技術研究所副所長)、後輩の中山實氏(後の鹿島技術研究所副所長・博士)、当時技研研修生の早川一郎氏(後の鹿島建築技術部担当部長)、技研の日沖正行氏(後の鹿島設備設計部チーフ)、先輩に鹿島設備設計部の岡本章氏(後の鹿島専務執行役員)、瀧澤博氏(後の鹿島技師長)、鹿島入社同期の長谷川俊雄氏(後の鹿島執行役員)、後輩の橋本洋氏(後の鹿島設備設計部チーフ))。東京大学大学院生の赤坂裕氏(後の鹿児島大学名誉教授・鹿児島高等専門学校長・博士)。建築環境工学、熱・湿気・エネルギー、居住環境、空調熱負荷(実測による算定手法の評価(1971年-75年)、故松尾陽助教授のご指導、共同研究者に田中授氏(後の鹿島技術研究所次長)、瀧澤博氏、赤松俊夫氏(後の鹿島設備設計部技術長)、建築設備
1976年 田中****夫妻の長女**と結婚。*****。暖房性能評価法(1976年-78年、故斎藤平蔵東京大学教授・博士(後の東京大学名誉教授、東京理科大学教授)、故松尾陽助教授のご指導、鹿島技術研究所の及川豊秀氏(後に札幌支店)、省エネルギー建築計画、日射遮蔽計画技術等の研究実施。太陽冷暖房給湯システム(通産省主管サンシャイン計画(1974年-81年、共同研究者に故小原俊平博士、相楽典泰氏、鹿島情報システム部の高橋莞爾郎氏、川崎重工業の東海正國氏)、鹿島技術研究所経理課に桜井洋制氏、故鹿島敏夫氏。鹿島電子計算センターに石田義洋氏(後に設備設計部・博士)。
1978年 長女(一人娘)が生まれる。中国電力可部営業所のソーラーシステム実測解析(1981年-84年、鹿島広島支店の古賀清氏)
1983年 鹿島技術研究所主任研究員、日射遮蔽計画技術(性能評価実験装置開発、東京理科大学の武田仁教授・博士のご指導、(解放式温度基準1982年-84年、東京理科大学学生の鈴木雅也氏、密閉式熱量基準1984年-1990年、東京理科大学助手の渡部真志氏(現博士)))、断熱ブラインド開発(1983年-89年、鹿島建築設計部の佐野幸夫部長(後の鹿島専務)のご指導、共同研究者に鹿島設備設計部の田中英夫氏、佐藤正章氏)、選択透過ブラインド開発(1989年-94年、故小原俊平博士のご指導、共同研究者に立川ブラインドの金子英二氏)、室内居住環境(事務所ビル室内の放射環境(1983年-91年))等の研究を実施。技術研究所に松本肇氏、塩谷正樹氏(現GM・博士)、三浦克弘氏(現主任研究員・博士)
1991年 (財)国土開発技術研究センター出向、副参事、エネルギー有効活用施設のあり方に関する調査研究等に従事。同センターに古山公一郎氏、臼井浩一氏
1993年 鹿島技術研究所復職、主管研究員、植栽ブラインド(1993年-96年、共同研究者に鹿島設備設計部の田中英夫氏、千葉隆文氏、技術研究所の工藤善氏、間宮尚氏(現博士))の研究開発等を実施。研究所に八木澄夫博士(主管研究員)、伊藤正氏(後の鹿島営業本部副部長)、武政祐一氏(現鹿島主任研究員・博士)、権藤尚氏(現鹿島主任研究員)、竹下美和子氏、太田雅子氏
1999年 東京都立大学大学院工学研究科建築学博士課程修了、博士(工学)(学位記 工学第443号)(石野久爾研究室在籍、博士論文「屋内用横型ブラインドを有する窓の日射遮蔽係数に関する実験的研究」、石野久爾教授・博士、故伊藤直明教授・博士、須永修通助教授・博士(現教授)、永田明寛講師・博士(現准教授)のご指導。助手に中山哲士氏(現岡山理科大学准教授・博士)、京都大学大学院博士課程に進学した細渕勇人氏(現博士)、研修生に高木正尚氏(新日本空調)、修士課程に一ノ瀬雅之氏(現首都大学東京助教・博士))、日射遮蔽(石野久爾教授・博士のご指導、卒論・修論生に芝原崇慶氏、卒論生に織田裕美氏)、室内居住環境、気象環境、光環境(タスク・アンビエント照明方式(1996年-2003年、共同研究者に鹿島設備設計部の渡部耕次氏、技術研究所の藤田茂明氏、坂田克彦氏、東海大学の岩田利枝教授・博士、東京電力の坪田祐二氏(後の東海大学教授・博士)、山川和美氏)等の研究を実施。社内業務ではISO 14000内部監査員(発行番号E77288、1999年3月、テクノファ)を1999年から務めた。
2000年 東京理科大学理工学部建築学科講師(非常勤)(武田仁研究室在籍、後の助教に吉澤望博士(現准教授))、国際照明委員会CIE国際昼光観測プログラムに準じた稲沼の測定値による昼光を含む気象環境の研究(1993年-2008年、九州大学の中村洋教授・博士、助手の古賀靖子博士(後の九州大学教授)、竹中工務店の井川憲男博士(後の大阪市立大学教授)のご指導、東京理科大学生の横田覚氏)、昼光照度基準標準気象データの研究開発(2003年-08年、東京理科大学の武田仁教授のご指導、学生の吉村孝彦氏、福島秀樹氏、講師(非常勤)の淺田秀男博士、助手の吉澤望博士)、氷蓄熱システムの最適運転手法の研究開発(2000年-02年、当時技研の枡川依士夫氏)等を実施。
2003年 鹿島技術研究所上席研究員、長女*********結婚(後の2005年初孫娘・**、2008年孫娘・**生まれる)。外装ブラインドの研究(2003年-08年、鹿島設備設計部の近藤純一氏(グループリーダー・現博士))等の実施。研究所に鹿島上席研究員の石橋敏久博士
2005年 日本建築学会賞(論文)受賞「建築の窓が関わる省エネルギーの実証的研究」、この受賞は多くの方々のご指導・ご協力の賜であり、関係各位に深謝する次第である。早稲田大学の長谷見雄二教授・博士、早稲田大学の田辺新一教授・博士、研究所に八木崇氏。なお、2005年7月14日、中山實副所長、戸河里敏主席及び荒井良延GM(役職はいずれも当時)が世話人となって、鹿島本社Ⅱ棟19階ゲストルームにて多くの方々のご出席(本人夫婦及び娘夫婦と孫を除き50名)を賜り、盛大な祝賀会を開催していただいたことに感謝している。出席者は本文中に記載した一部の方々が中心で、東京大学の鎌田元康教授・博士のご出席も得た。
2005年 鹿島技術研究所定年退職
2008年 東京理科大学退職(任期満了)

現在までの研究概要をまとめてみると次となる。なお、ここには共同研究者として共に実施した内容も含んでいる。
快適な居住環境と合理的な省エネルギーの実現は、環境負荷の低減、エネルギー枯渇、地球温暖化防止などの観点から、重要かつ緊急の課題である。筆者はこの課題の解決のため居住環境向上技術、省エネルギー技術に関する様々な実験研究、実態調査研究など独創的かつ有用な研究を積極的に実施した。
1.窓面日射熱移動に関する一連の研究
a.快適な室内熱環境を考えるとき、窓面放射熱を抑制することが特に重要であることを明らかにした。これは、事務所ビル執務室を対象に温度・放射環境などを実測すると同時に寒暑感、快適感の申告調査を行い、これらの室内熱環境物理指標と暑寒感、快適感の相関を調べた結果である。
b.この放射熱抑制手段の一つとして、一般的な日射遮蔽装置であるブラインドに着目し、居住環境向上と省エネルギーを目指した外側日射反射性の高い断熱ブラインド、及び窓面からの放射熱を抑え、全閉時においても外部が眺望できる光選択透過ブラインドなどの極めて有効な開発研究に参画し実用化した。関係特許多数。
c.日射遮蔽係数測定装置を考案・開発し、窓の重要な熱特性である日射遮蔽係数及びその対流成分・放射成分分離測定法を確立した。次にこの測定装置により、各種ブラインド、ロールシェイド、外装ブラインド等の日射熱特性を実験的に解明した。また、ブラインド構成要素の日射遮蔽特性に与える影響の程度につき実験計画法に基づく実験を実施し、分散分析を行い定量的に解明した。
d.次に、日射が当たる窓面の熱移動に不明な点の多い事に鑑み、実験による実態を反映した室内側対流熱伝達率の詳細検討を踏まえ、日射熱移動モデルを構築し、その妥当性を検証した。これらの成果は、窓を含む合理的設計法の確立・進展に資すると考えている。
2.窓を含む建築環境外界気象要素に関する一連の研究
居住環境向上・省エネルギー等の観点から、窓などに関わりの大きい太陽放射、即ち日射・昼光照度などの長期連続測定データの蓄積が十分でない現状に鑑み、国際照明委員会CIEの国際昼光測定プログラムIDMPに関する日本建築学会に設置された昼光日射測定に関する委員会(委員長・中村洋のち古賀靖子)の委員として参画し、調布市において1993年から測定間隔1分による10年余の観測を実施した。この膨大な長期測定データに基づき建築環境外界気象に関する様々な実証的研究を行ってきた。
a.一般的に入手可能で継続的な日射観測値は水平面全天日射量のみである。窓の熱環境・省エネルギー計画を行う場合、日射に関する窓の入射特性の違いから、直達日射・天空日射に分離して知る必要があり、更に任意の方位の傾斜面に入射する日射量の推定には、直達日射・天空日射とから合成計算によるのが一般的である。そこで重要かつ基礎的課題である全天日射から直達・天空日射を推定する直散分離モデルを確立した。
b.次に,日射から昼光照度を推定する成分別発光効率の推定式を求めた。この発光効率により、日射から昼光照度を知ることができるが、この時日射についても成分(直散分離を実行し直達日射、天空日射)別に知らなくてはならず煩雑である。そこで、全天日射から直射照度、全天空照度を直接求める事ができる独自の推定モデルを確立した。
c.一方、グローバル照度のみが既知の時は日射の直散分離モデルと同様に、昼光照度の直散分離モデルが有効であると考え、昼光の直射・全天空照度推定モデルを構築した。
d.また、詳細な環境シミュレーションを可能とする日射・昼光照度・天空放射輝度分布・天空輝度分布などを含む標準年気象モデルを開発した。これらの成果は、合理的な居住環境・省エネルギー計画設計に大いに貢献すると考えられる。
3.タスクアンビエント照明の快適性と省エネルギー
窓面に面する居住空間では、窓面からの放射熱を抑制する事が重要である。インテリアゾーンにおいては、照明からの放射熱の抑制と照明用エネルギーの効率的使用が重要である。そこで実験室を作成し被験者実験を行い快適な照度比を明らかにした。次に実際のオフィスにて実験室で得られた結果の妥当性を検証するとともに、照明電力の省エネルギー効果を確認した。
4.アクティブソーラシステムの開発と実測評価
日射熱を積極的に利用する大型建物用太陽熱冷暖房給湯システム(当時の通産省の主管したサンシャイン計画)の開発に参画し,大分大学研究棟の完成にあわせ性能評価方法を提案し、実測評価を行った(これらの業績で空気調和衛生工学会賞を受賞した)。
5.空調熱負荷算定システムの評価研究
レスポンスファクター法に基づく空調熱負荷算定システムにおいて、鉄筋コンクリート造事務所ビルの詳細な実測と再現シミュレーションを実施した。この推定精度の評価研究などにより同システムの普及に寄与したのは周知の通りである。
著書2件(共著)、審査付論文28件、その他論文136件、特許・実用新案48件
2012年3月3日現在

Papers

  30

Misc.

  82

Books and Other Publications

  2

Other

  2