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2017/11/12

玉木雄一郎希望の党共同代表は待ち受ける困難を克服できるか

Tweet ThisSend to Facebook | by suzumura

11月10日(金)、希望の党は両院議員総会において国会議員53名が投票する共同代表選挙を行い、玉木雄一郎衆議院議員が39票を獲得し、14票の大串博志衆議院議員を破って共同代表に選出されました1


今回の共同代表選挙では、党代表である小池百合子氏が結党以来主張する日本国憲法第9条を含む憲法の改正に関する論議に積極的に関わることと集団的自衛権の行使の容認の是非が争点となりました。


小池氏の方針に沿う主張を行った玉木氏が憲法第9条の改正の不要論と集団的自衛権の行使の否認を唱える大串氏を破ったことは、小池氏の路線が承認されたことを意味します。


その一方で、小池氏の方針に明確に反対する大串氏を支持する票が投票総数の25%を超えたことは、今後の党の運営を考える際に見逃せない障壁となることが推察されます。


周知の通り、希望の党は結党と10月22日(日)に行われた第48回衆議院議員総選挙に際し、民進党から合流しようとしたいわゆる左派系の勢力を政策や理念の一致の重視を名目とする「排除の論理」によって選別しています。


従って、現在党に所属する国会議員は、理論上は小池氏の方針を容認していることになりますし、民進党から合流した議員たちは政策協定書を。


それにもかかわらず、大串氏が所定の8名の国会議員の推薦を受けて共同代表選挙に立候補したこと、さらに共同代表選挙において推薦人を6名上回る14票を得たことは、党内に小池氏の方針に反対する、「新執行部に対してものを言っていくメンバー」2が明確に存在することを示します。


さらに、憲法改正や集団的自衛権の行使といった問題だけでなく、たとえ創設者であるとはいえ国会議員でない小池氏が代表として国会議員を指導する党のあり方や野党再編などを巡って玉木氏や他の党幹部が小池氏の意を体する姿勢を鮮明にすれば、党内の親小池派と反小池派との対立、あるいは保守派と進歩派の対立が深まりかねません。


かつて民主党が党内の権力抗争によって分裂を重ねて党勢を縮小させたことと自民党が下野中も党からの離脱者を最小限に留めて政権に復帰したことを考えるなら、新たに発足する執行部にとっては、小池氏への親疎や主義の違いが党内の主導権争いに発展することがないよう、いかにして党内の融和と挙党体制を築くかが党運営の基礎となります。


もしこのような基礎的な事項に注意を払わず小池氏の主張の実現を強行すれば、反小池派の離脱は現実味を帯びますし、玉木氏は2020年9月までの任期を全うすることは出来ず、党そのものも解体の憂き目にあうことでしょう。


玉木氏を待ち受けるのは、決して平坦な道のりではないのです。


1 共同代表選挙のご報告. 希望の党, 2017年11月10日, https://kibounotou.jp/news/detail/nid:84 (2017年11月12日閲覧).
2 希望、残る「踏み絵」の傷. 朝日新聞, 2017年11月11日朝刊4面.


<Executive Summary>
Mr. Yuichiro Tamaki Might Be Faced with Difficulties as the Coleader of the Party of Hope (Yusuke Suzumura)


The Party of Hope held the election for the Coleader and Mr. Yuichiro Tamaki, a Member of the House of Representatives, was elected on 10th November 2017. Coleader Tamaki might be faced with difficulties to manage the party, since there would be many serious problems including conflicts between the conservatives and the progressives.


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