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2018/12/06

大谷に新人王をもたらした米国人気質

Tweet ThisSend to Facebook | by suzumura

2018年11月26日(月)に発売された日刊ゲンダイの2018年11月27日号に、私が隔週で担当させていただいている連載「メジャーリーグ通信」の第38回「大谷に新人王をもたらした米国人気質」が掲載されました[1]。


今回は、ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手が2018年のアメリカン・リーグの新人王を獲得した理由を、「開拓者精神」や「歴史の尊重」といった「米国人気質」から検討しています。


本文を一部加筆、修正した内容をご案内いたしますので、ぜひご覧ください。


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大谷に新人王をもたらした米国人気質
鈴村裕輔


エンゼルスの大谷翔平がアメリカン・リーグの新人王となった。


成績を眺めるなら、新人王の有力な候補であったアンドゥハーとトーレスの「ヤンキース・デュオ」の方が、出場試合数、安打数、本塁打数、打点数のいずれでも大谷を上回っている。


それでは、なぜ大谷は2018年のアメリカン・リーグの新人王となれたのだろうか。


ここで見逃せないのが、アメリカ合衆国という国が持つ気風、気質だ。


米国は2026年に建国から250周年を迎える。だが、今も米国民の多くは自らの国を「若い国」と考えている。さらに、国土から物理的な開拓地が消滅した現在でも、創造的な事柄に取り組むことを肯定し、たとえ挑戦が失敗しても挑戦そのものの意義を高く評価する開拓者精神は残っている。


そのため、マディソン・バムガーナー(ジャイアンツ)のように打撃が得意な投手や、点差が開いた試合で投手を休養させるために打者が登板することはあっても、大谷は投打のいずれでも平均以上の成績を挙げたことで、現在の大リーグでは不可能と思われていた「二刀流を実現した開拓者」という印象を与えることになったのだ。


また、米国では新しいものを追い求めるとともに、過去もひときわ尊重する。スポーツのも同様だ。四大プロスポーツだけでなく、学生スポーツでも多くの競技で「殿堂」を設けているのは、往年の名選手や優れた指導者の事績を顕彰し、後世に伝えようとする意欲の表れだし、選出された人物はサインを求められると色紙に“Hall of Famer”と書き添えて、「名誉の殿堂」の一員であることを誇りに思っている。


大谷の場合には、「ベーブ・ルース以来の」と形容されたように、誰もが知る野球の消灯であるベーブ・ルースが引き合いに出されたし、1920年に当時の大リーグ記録である年間257安打を残したジョージ・シスラーが投手としても活動していた記憶を蘇らせた。


その意味で、大谷は歴史を好む米国の人々の価値に合う、「現在と過去を繋ぐ選手」でもあったのだ。


そして、最後の重要な点は、人々の野球に対する考えを変えさせたということだ。


かつて満塁でも「本塁打を打たれるよりは」と敬遠されたバリー・ボンズは「野球のあり方を変えた」と言われたし、「内野ゴロでアウト」と思われた打球を安打にしたイチローは「野球の見方を変えた」と称された。それとともに、「投手と打者は別」というそれまでの常識を打ち破った大谷は「野球の可能性を変えた」選手であり、米国人の好む革新性を体現していたのだ。


このように考えれば、「ヤンキース・デュオ」ではなく大谷が新人王となったのが当然であったことが分かると言えるだろう。
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[1]鈴村裕輔, 大谷に新人王をもたらした米国人気質. 日刊ゲンダイ, 2018年11月27日号27面.


<Executive Summary>
US National Character Brought AL Rooki of tye Year of 2018 to Shohei Ohtani (Yusuke Suzumura)


My latest article titled "US National Character Brought AL Rooki of tye Year of 2018 to Shohei Ohtani" was run at The Nikkan Gendai on 26th November 2018. Today I introduce the article to the readers of this weblog.


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