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2019/01/11

Dover 探検隊

Tweet ThisSend to Facebook | by mseto
今年度の卒業研究のテーマは Schur アルゴリズムである。
その関係で
H. S. Wall ``Analytic Theory of Continued Fractions"
の Dover 版を購入した。
この Dover 版は2018年の発行であるが、
もともとは1948年に発行された古いものである。

一読してみると、
函数解析の黎明期を思わせる内容でありとても面白い。
F. Riesz と同様に \ell^2 をヒルベルト空間と呼んでいる点は個人的に合点が行った。
これに比肩する類書は
N. I. Akhiezer ``The Classical Moment Problem"
ではないかと思う(こちらも Dover で復刊しないだろうか)。 

気になって Wall のことを
Mathematics Genealogy Project で調べたら
Wall は Pasquale Porcelli の指導教員であった。
つまり、H. S. Wall --> P. Porcelli --> R. G. Douglas, J. L. Taylor 
と続く米国函数解析の系譜に気づいた。
さらに遡ると、Wall の指導教員はドイツで学位を取った
米国人 Edward Burr Van Vleck だそうである。
ここで最初の Schur につながる。 

Douglas は去年、Taylor も数年前にこの世を去ってしまった。
現在この系譜はインド、中国に引き継がれているように思う。
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