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2019/05/22

野党5党派は「統一候補の擁立」に際して何をなすべきか

Tweet ThisSend to Facebook | by suzumura

昨日、野党5党派は今年7月に行われる参議院議員選挙において、32の改選1人区のうち、9選挙区での候補者の一本化に合意しました[1]。


合意に参画したのは立憲民主、国民民主、共産、社民の各党と衆議院会派の社会保障を立て直す国民会議で、すでに決定済みの愛媛と熊本と合わせ、11の選挙区で統一候補を擁立することが決まりました[1]。


都市部に強みを持つ立憲民主党、旧民主党以来の地方組織を継承した国民民主党、全国に一定の支持者のいる共産党など、各党はそれぞれの特徴を持っています[2]。


しかし、1人しか当選しない1人区に複数の候補者を擁立すれば政権への批判票が分散して共倒れとなり、与党を利するのみになるという現実的な判断が、今回の合意の背景にあることは明らかです。


従って、1人区における候補者の一本化は理論的には野党にとって好ましく、与党にとっては苦戦を強いられる可能性を高めると言えるでしょう。


また、残る21の1人区において立憲民主党と国民民主党の間で候補者の一本化のめどがついたことや、複数区でも選挙区のすみ分けがなされつつあること[1]も、実利的な対応となります。


その一方で、単に候補者を一本化するだけで当選の可能性が高まるものではないことも論を俟ちません。


何故なら、各党が特色を持っていることは、一面において独自の強みとなり、他面において候補者を一本化できても個別の政策や信条まで統一できるとは限らないからです。


例えば、旧民進党を母体とする立憲民主党と国民民主党に限っても、前者が政権との対決を基本とし、後者が政権への対案の提出の路線を採用しているように、各党の行動の原理は細部において少なからぬ違いを見せています。


これに加えて、「反安倍政権」を旗印に候補者を一本化したとしても、どのような国政を行うのか、あるいはいかなる社会のあり方を目指すのかという点まで詳細に決めるのでなければ、野党5党派による候補者の一本化は選挙目当ての「野合」という与党側の批判[3]に真実味を与えることになります。


その意味で、野党5党派に求められるのは、候補者の一本化や表面的な政策の合意だけではなく、合意した政策をどのように実現するのか、さらに「反安倍政権」を乗り越えて、どのような社会を目指すのかを具体的に提示しなければ、有権者の支持を得ることは覚束ないと言えます。


野党5党派に求められるのは、「候補者を一本化すれば票が集まる」といった楽観的な考えではなく、候補者を一本化したからこそ、目に見える形で「一本化する意味」を有権者に示す努力なのです。


[1]参院選11選挙区で統一候補. 日本経済新聞, 2019年5月22日朝刊4面.
[2]立民は都市部、国民は地方. 日本経済新聞, 2019年5月9日朝刊4面.
[3]改憲の記述、大幅減. 日本経済新聞, 2019年2月11日朝刊2面.


<Executive Summary>
Opposition Parties Shall Show the Meaning of Unifying Candidates for the Election of the House of Councillors 2019? (Yusuke Suzumura)


Five opposition parties agreed to unify candidates for the Election of the House of Concillors 2019 in 11 legislative districts on 21st May 2019. What is the most important thing for them is to show the meaning of unifying candidates for the voters.


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