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2019/06/14

米大統領選は「若者の野球離れ」を食い止めるか

Tweet ThisSend to Facebook | by suzumura

5月27日(月)に発売された日刊ゲンダイの2019年5月28日号に私が隔週で担当させていただいている連載「メジャーリーグ通信」の第48回「米大統領選は「若者の野球離れ」を食い止めるか」が掲載されました[1]。


今回は、2020年の米国大統領選挙に向けた民主党の動きを手掛かりに、若者向けの政策が大リーグに与える影響を検討しました。

本文を一部加筆、修正した内容をご案内いたしますので、ぜひご覧ください。


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米大統領選は「若者の野球離れ」を食い止めるか
鈴村裕輔


2020年11月の米国大統領に向けた動きが始まった。


現職大統領のドナルド・トランプを擁する共和党には有力な対立候補がいない。そのため、よほどのことがない限りトランプが候補者となるだろう。


一方、野党民主党の動きは活発だ。


前回の大統領選挙で一躍知名度を上げ、米国に「社会民主主義」の言葉を広めたバーニー・サンダースや、昨年11月の中間選挙に当選して史上最年少の連邦下院議員となったアレクサンドリア・オカシオ=コルテスが注目を集めている。さらに、オバマ政権で副大統領を務めたジョー・バイデンも出馬を表明した。


特に、2016年に「旋風」を巻き起こし、今も若者の支持を集めるサンダースの主張は、「全国民への公的保険の適用」など、米国社会の現状からすると過激と言えるものだ。


ただ、大統領となったトランプが自由貿易への反対、海外派兵の見直し、製造業の再建、公共投資の強化など、サンダースが掲げた政策を取り入れたように、民主党の大統領候補がサンダースやオカシオ=コルテスの公約を取り込んで「争点潰し」を試みる可能性は小さくない。


こうなると、「米国第一主義」のトランプと「大企業叩き」の民主党の候補が対決し、どちらにしても米国の将来は混迷の度合いを加えるかのようだ。


トランプより4歳年長で、面白みに欠けると考えられていたバイデンが、民主党の最有力候補となったのも、上院議員や副大統領を務めた堅実の手腕が高く評価された結果でもある。
その一方で、財源の問題はあるものの、「公立大学無償化」などの政策は大リーグを含む米国のプロスポーツ界にとって必ずしも悪い話ではない。


ハーバードやマサチューセッツ工科など、米国を代表する私立大学の学費は年額で500万円を超えるし、4年制の州立大学でも学費の平均は100万円以上だ。


周知の通り、米国では学費を奨学金や金融機関からの借り入れで工面する学生が多い。そして、中には在学中から返済の義務のある奨学金に頼ったために返済に苦労したり、卒業後に「ローン地獄」に陥る事例が頻発している。


そのような若者にとって、入場料が高騰する大リーグの試合を観戦する機会も減少する一方だ。


だが、少なくとも公立大学の無償化が進めば大学を卒業した後の若者の可処分所得が増加し、スポーツ観戦のような余暇への出費も増えることになる。


大リーグにおける観客の年齢の上昇は、若年層での「野球離れ」の進行を示唆する。それとともに、大学を卒業しても若者の経済的なゆとりの乏しさが、余暇への出費を抑制した結果でもあろう。


大リーグの経営者たちは、「自分たちへの規制は少なく、若者が球場に来やすくなるような支援は手厚く」という状況を期待することになるのである。
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[1]鈴村裕輔, 米大統領選は「若者の野球離れ」を食い止めるか. 日刊ゲンダイ, 2019年5月28日号30面.


<Executive Summary>
Will the Young Be in the Ballpark again by the US Presidential Election of 2020? (Yusuke Suzumura)


My latest article titled "Will the Young Be in the Ballpark again by the US Presidential Election of 2020?" was run at The Nikkan Gendai on 27th May 2019. Today I introduce the article to the readers of this weblog.


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