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2019/06/16

電線も震災前と同じように - 陸前高田・気仙町

Tweet ThisSend to Facebook | by 島田 剛

週末は国際開発学会。学会後のスタディ・ツアーで「マルゴト陸前高田(一般社団法人)」の案内で陸前高田の気仙町を見学させていただきました。

案内をしていただいたマルゴト陸前高田のNさんはこの地区の生まれて、今もそこに住まれている方とのこと。さまざまな個人的なお話もとりまぜながら、復興の現在地点についてうまくいっている面、そして難しい面(合意形成の難しさと、それによる復興の遅れ)などを教えていただきました。そのお話は迫力があり、真摯に町の復興に取り組んでいる姿勢がひしひしと伝わってきました。



写真は気仙町小学校。印象深かったのは写真にわずかに見えている電線。今の技術では地下に埋めることもできるが、町の人たちは震災前の「電線のある町」にこだわったとのこと。

不思議な話だと思っていたら理由があるとのこと。この町の人たちが楽しみにしている「けんか七夕まつり」の山車(だし)が電線の下を通る時、山車が高いため電線を持ち上げて山車を通していたらしい。そんなことも含めて震災前のままに戻したいという町の人たちの強い希望があったためだという。

また、写真の真ん中の煙突のあるような建物、けんか七夕まつりの太鼓を町のひとたちが集まり練習できるように予算や行政上の制約の中で工夫して作られたらしい。

それほどこの町の人たちが大切にしているけんか七夕祭り、4つの地区の山車をぶつけるという勇壮なお祭りらしい。同じ町の中でも4つの地区ごろに「地区愛」が強かったとのこと。

しかし、津波の被害を大きく受けた地域もあり、山車は1つに。それをもう1台製作し、今年からはもともとあった町の名前をつけてケンカをすることに。

町外に自宅を再建した人たちも多いらしいが、こうした町や地区へのつながりが復活することで町が活気づいたり人が戻ってくることにつながるのだろう。

私にとって陸前高田は震災直後に訪問して以来、2回目。その時は宿泊できる施設がまだなく町の雰囲気もかなり違うものでした。私にできることはあまりないけれど、また戻ってきたいと思います。

今年の国際開発学会・春季大会はとても学会での議論も面白く(コメンテーターをさせていただいたセッションの論文がとても面白かった)、またこのスタディ・ツアーも色々と考えさせられるものでした。実行委員会の方々、そして陸前高田で受け入れをしていただいた方々に御礼を申し上げたいと思います。


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