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2019/06/19

石原信雄さんと意味深長な「私の履歴書」の記述

Tweet ThisSend to Facebook | by suzumura

2019年度6月期の日本経済新聞の連載「私の履歴書」を担当しているのは、元内閣副官房長官の石原信雄さんです。


石原さんの内閣副官房長官としての記録は、1997年に御厨貴先生と渡邉昭夫先生による『首相官邸の決断』(中央公論社)が決定版と言えます。


また、回顧録としては『石原信雄回顧談』(石原信雄回顧談編纂委員会編集、ぎょうせい、2018年)が網羅的な内容となっています。


今回の連載は、『首相官邸の決断』や『石原信雄回顧談』の内容を凝縮した仕上がりとなっています。


その一方で、『首相官邸の決断』も『石原信雄回顧談』も専門的な内容を含んでいるため、一般の読者が手に取る機会は決して多くはないかも知れません。


そのため、一般紙に「残念なのがパチンコを公営競技にできなかったことだ」という見解[1]が掲載されることは興味深く思われます。


また、ともに竹下登内閣の内閣副官房長官を務めた小沢一郎氏について、竹下首相は小渕恵一官房長官には身内のような気安さで接していたが小沢副長官に対しては相手を傷つけないよう話しかけていた、という描写[2]は意味深長です。


あるいは竹下首相が、外遊の際に通例の政務担当官房副長官ではなく事務担当の石原氏を同行させたことなどから、後に小沢氏が自民党竹下派の主導権争いから自民党を離党する遠因が竹下内閣時から認められていた、さらに宇野、海部内閣は人選の点からも竹下氏が作った内閣であった、という記述は、『首相官邸の決断』などで馴染み深いとはいえ、いつ読んでも興味深く思われるものです。


残すところあと10回余りとなった石原さんの記事の続きがますます注目されます。


[1]自治省に帰任. 日本経済新聞, 2019年6月12日朝刊40面.
[2]リクルート. 日本経済新聞, 2019年6月19日朝刊40面.


<Executive Summary>
Mr. Nobuo Ishihara and Half His Life Seen from My Résumé (Yusuke Suzumura)


Mr. Nobuo Ishihara, Former Deputy Cabinet Secretary, writes My Résumé on the Nihon Keizai Shimbun from 1st to 30th June 2019.


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