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2019/08/25

「楕円積分と楕円関数」予約開始

Tweet ThisSend to Facebook | by Takebe
雑誌『数学セミナー』で連載した「楕円積分と楕円関数 ― おとぎの国の歩き方」が単行本化され、出版社(日本評論社)のサイトで予約が出来るようになりました。刊行は9月中旬の予定です。

内容は、上記サイトで目次が公開されいるのでそちらをご覧下さい。このブログで以前書いた通り、連載時の記事に
  • 一般の楕円関数の加法定理
  • 代数的加法公式を持つものは有理関数、指数関数の有理関数と楕円関数の三種類しかない事(Weierstrass-Phragmen の定理)
  • テータ関数の無限積展開
の三つの章を加えました。また連載記事中の間違いも見つかった範囲で修正しました。

日本の理系の大学一、二年生が学ぶこと(微積と線形代数)と複素関数論の初歩までは予備知識として仮定しています。それ以外の事項には出来るだけ説明を加えました(おそらく数学科以外では聞く機会の少ない「位相空間論 general topology」を一部で使いますが、そこは飛ばしても問題ない)。理系学部三年生後半位からなら読めるはずです。逆に、微積・線形代数・複素関数論は使いまくるので、その辺の復習に良いでしょう(線形代数は少なめ)。

連載終了後、「本になったら学生ゼミで使いたい」と仰って下さった先生が二人おられます。ありがとうございます。よろしくお願いします。但し、全部で三百ページ以上あるので、最初から最後まで一年で読み切るのは大変かもしれません。適当に飛ばし読み出来るように、イントロ(第0章)末尾に「各章のつながり」を示す図を入れておきましたのでご利用下さい。


以上、宣伝。以下、裏話の羅列。

実は、日本時間でこの金曜日の朝に再校をチェックしたものを送ったばかり(東京からモスクワへ帰る機中で、映画も見ずにこの作業をしていました)。雑誌記事を書いた時の校正、単行本化する時の書き直し、その初校、再校と三回も四回も読み直しているのに、最後の段階でも間違いが見つかること見つかること。(>_<) 引用文献の書誌事項の単純なミスが、再校が終わってから二つも見つかって慌てて編集さんにメールを送るとか、駄目過ぎです。m(__)m

未定稿を九大の落合啓之君に送ったら、私のミスだけではなく、Gauss の計算間違いまで見つけてくれた、という話はこちらで書きました。

24日現在では上記サイトには書影がまだ無いですが、それもそのはず、カバー・デザインが決まっていません。デザイナーさんによる第一案に私から注文を付けたので、遅くなっています。

本の帯には、前書きに入れた Richard Bellman の「楕円関数の理論は数学のおとぎの国である」という文章などを引用するそうです。副題「おとぎの国の歩き方」は少々気恥ずかしい文句でもあるので、その背景が分かってもらえるようになっていれば助かります。

元々の講義や雑誌連載へ至る経緯などはブログ記事にいろいろ書きました(初回(2014年)講義開始前二回目(2016年)の講義終了後雑誌連載開始連載終了)。

英語版も作りたいと思っていますが、さていつになることやら。
05:32 | Impressed! | Voted(3) | Comment(0) | 書評