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(2010 年 4 月 30 日「研究ブログ」に設置)

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2019/10/21

引っ越し完了;モスクワでの引っ越し顛末記3

Tweet ThisSend to Facebook | by Takebe
とりあえず、この前の木曜日に大学の宿舎を引き払い、新居に引っ越しました。宿舎から新居へは乗換無しの地下鉄一本で片道30分ほどなので、「引っ越し」は週末を二回ほど使って往復十回ほど掛けてリュックザックで荷物を移動させました。

宿舎の二十平米の部屋で本棚も無かったとは言え、流石に十年間暮らしているといろいろと物が溜まってきていて、いつもの引っ越し同様「後から後から物が湧いてくる」感じ。(数学関係者ならば「球をいくつかに分けて移動して合体すると、体積が増える」という Banach-Tarski のパラドックスを思い出しません? (^-^;; )でも、幸いにして車を頼むこともなく、無事に移動完了です。

新居に前に住んでいた人が冷蔵庫、洗濯機、衣装箪笥は置いていってくれたけれど、ベッドが下の枠だけ、とか書物机や書棚が無い、等まだ家具が揃っておらず、現在寝袋で生活しつつ、近くにあるショピングセンターや、家具センター(スェーデンの有名ブランド)を物色しています。昨日はヤカン、今日は枕とゴミ箱を買ってきました。大きめの家具はもう少し先かな。


さて、探す段階の話の続き(前はここ)。

日本の住宅検索サイトを見ると、場所、交通の便、値段、構造、間取り、写真、間取り図などが載っていますが、ロシアのサイトもほぼ同じ。但し、ロシアでソ連時代に建てられた住居は部屋の大きさ(1DKとか2LDKとか)が決まれば、間取りはほぼ一通り。ロシアどころかソ連全体(もしかすると東欧も?)で全く同一の規格、というのは有名です。例えば、年末にロシアのテレビで毎年放映される定番映画「運命の皮肉」は、酔っ払った状態で飛行機に乗せられてモスクワからレニングラードに送られた男が、自分のモスクワの住居と同じ名前の通りの同じ構造のアパートの同じ番号の部屋に同じ鍵で入ってしまっても自分の家ではないことに気づかなかった、というところから始まる喜劇(鍵すらも種類が少なく、別の部屋に入れることがあったのは事実)。

ですから、絞り込みで見るのは「場所」→「値段」→間取りはすっ飛ばして「写真(で分かる状態)」という順になります。が、実はもう一つ「販売条件」(と言えばよいのかな)というものが重要だ、という事を教わりました。「free sale(自由売却?)」、「alternative」の二種類があるようです。この内の alternative というのは、「私の家を売りますが、実際に私がこの家から出るのは、移転先が空いてそちらに住めるようになってから」というもの。つまり売り買いの契約が鎖状というか玉突きのようになっているので、この鎖が完成するまでは最終的な売買が出来ない。(日本にこういう仕組みありますか?日本で住居を買ったことが無いので…。)自由売却というのは、そういうシガラミが無いもの。私のように「10月半ばまでに移らなくてはならない」という境界条件がある場合には alternative では危ないので「自由売却」というのを探すことになります。

さて、サイトの地図を使ったり、あるいは不動産屋さんに候補を送ってもらい、自分で絞り込み、ある程度物件の数を絞ったら、次に不動産屋さんに「cleanness」を調べてもらいます。権利関係の念入りなチェックで、この作業が不動産屋の腕の見せ所らしいです。

ソ連時代は不動産はすべて国のものだったわけですが、1991年にソ連が崩壊した後で住まいの「私有化」が行われ、基本的には住居はその時点で住んでいた人の所有物になったのだそうです。しかし「権利はいらない」と言う人もいて、でも子供が権利を取って、更にその子供は別の所に住んで…、となるとややこしい。あるいは結婚・離婚・相続等で権利関係が複雑になっていることがある。こうした事情で住居に「本当の所有者」ではない人が住んでいて、その人が売りに出していると問題が生じる、というのが Zabrodin 夫妻の話。

また、アパートを買ったある日本人の方(前に登場した数学の先輩ではない)は、「裁判で係争中の物件が売りに出されていることがあり、知らずに買うと金だけ取られて入居できない、という悲惨な事になる。私は危うくそういう物件を掴まされかけたけれど、不動産屋が見つけてくれて事なきを得た」というお話をされていました。

私の場合も、不動産屋さんが「書類を見せて」と先方に言ったら連絡が無くなった、とか、実は住んでいる人の子供がいて…、とかいう物件がいくつか(一割以下ですが)ありました。

ロシアにも「登記簿」はありますが、その情報が不完全ということなんでしょうか。この辺り、日本の制度もちゃんと分かっていないので、詳しい比較は私には出来ません。すみません。

でもまあ、大半は問題なく、では実地に見てみましょう、ということになります。長くなったのでそれは次回。
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