検索

Search Type
-
Room Name
Modules
 
 
counter918069
(2010 年 4 月 30 日「研究ブログ」に設置)

研究ブログ

研究ブログ >> Article details

2019/12/08

やまとなでしこの数学、からなでしこの数学

Tweet ThisSend to Facebook | by Takebe
ウチの大学に留学している中国人の院生から「研究のことで話がしたい」という英語のメールをもらいました。それは良いのですが、そのメールが途中から日本語になって、しかも私が昔作った web page の話になってタマゲました。(°o°;;

曰く「学部生時代をニューヨークで過ごしましたが、偶然に『「やまとなでしこ」の数学』というウェブページを見つけまして、とても楽しく拝読しましたが、まさか作者ご本人にお目にかかれるどころか、カフェテリアでロシア語の通訳のお手伝いいただきました」…。

隠すほどのものでもないので、ここでも紹介してしまいます。このページです。もう二十年近く前に「やまとなでしこ」というテレビドラマが人気を博したのを憶えておられる方もいらっしゃると思いますが、そこに数学の話題が小道具としてちりばめられていました。この数学の小ネタが全くデタラメなものではなく、しかも数学に対して一定の敬意が感じられ、数学者としては嬉しいものでした。

私は普段はテレビドラマは見ませんが、このドラマの噂を聞いて「せっかく人気のあるテレビドラマが数学の宣伝してくれているのだから、この機会にそのネタの背景を説明して、ドラマを見た人に数学に興味を持ってもらえないかな」と思い、再放送をビデオテープ(VHS; 時代ですねぇ…)に録画して数学ネタを拾ってこのようなページを作りました。今で言う「アウトリーチ活動」の一種ですかね。

ま、数学ネタは本当に「小道具」。物語の中で重要な役割を果たすわけではなく、総集編ではほぼ全部削られていて、最初に再放送ではなく総集編を見た時は「あれ、全然数学出てこないじゃないか、話が違う」と思いました。また、「数論を専門にしていた人がトポロジーで論文書いてる」とか、「確率論で競馬の予想が出来るんだったら俺だって確率論もっと勉強した!」(数学で万馬券は取れません)とか、「数学用語の使い方が微妙にマズイ」とかいろいろツッコミどころはあります。が、そんなのを晒すのは不粋。むしろ「スタッフがここまで頑張って勉強してくれた」と有難く思いました。そのため、「ちょっと変だな」と思っても web page では無理矢理の解釈を付けた箇所もあります。

このドラマ、かなり長い間再放送されていたそうですが、出演者の一人が不祥事を起こしたため再放送されなくなったとのこと。私のページはドラマを見たことを前提に作ってあるので、元のドラマが見られなくなった以上、存在意義は無くなっていきますが、「別に消すこともなかろう」と思い放置してありました。

そんな古い話を「なんでまだ若いあなたが見つけたんですか?ドラマ見たんですか?今は放送されていないでしょう?」と院生さんに聞いたら、想像だにしない教養のある答えが返ってきました。「学部時代にニューヨークの大学(Columbia University)で日本の古典の授業も取りました。清少納言を読んでいたら『やまとなでしこ』と『からなでしこ』というのが出てきて、「どんな植物?」と検索したら、テレビドラマの題名でもあったと知りました。」う〜ん、古文なんて高校卒業と同時に見向きもしなくなっていた私は尻尾を巻いて降参です。(^-^;;

私の web page を見てから興味を持ってドラマを見たとのこと(「どうやって?」は聞かぬが花)。「plot は ironic で cheesy でもあるけれど、『自分が本当は何者であるか』を見つけていく話で、究極的には自分の決断の話ですね。ニューヨークの中心部のアパートに数学者が住むのはとてもありそうにないですが」(英語メールをかなり意訳)というのが感想。

その後、学食で彼女と少し話す機会がありましたが、万葉仮名を読めたり(やっぱりあれは、普通の中国人にとっては「ナンジャコリャ」だそうですが、日本語が分かるので読めるそうです)、平仮名の元となった漢字とその発音について説明してくれたり。スゴイ。それに、日本の古典は漢籍を原典としているから、中国の人が本気で勉強すれば日本人よりも背景がよく分かるかもしれませんね。

その彼女が、なんで今モスクワにいるんだ??彼女は笑って「みんなそれ聞くんですよね」と日本語で返してきました。未だに謎。
07:06 | Impressed! | Voted(2) | Comment(0) | 書評