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2019/12/10

広島平和資料館への訪問で思ったいくつかのこと

Tweet ThisSend to Facebook | by suzumura

去る12月7日(土)、12時30分から14時30分まで広島平和記念資料館を訪問しました。


今回は常設展示に加え、企画展「市民が描いた原爆の絵 記憶と向き合う」、「収蔵資料の紹介」コーナーの「ある一家の原爆」を鑑賞しました。


今年4月25日に全面改装を終えた資料館の展示は資料を陳列して説明を加えるだけでなく、原子爆弾の犠牲となった人たちの発言や日記、あるいは遺族の談話の一部を強調して掲出するといった工夫が施されていました。


これにより、原子爆弾の被害者の数は1945(昭和20)年の末の時点で約14万人に達したものの、「14万人」という数が決して抽象的なものではなく、日々の生活を営み、名前も顔もある、一人ひとりの人間であることが直観的により容易に把握されることとなりました。


また、2017年に再開館した東館に設置された、市街地の立体模型に被爆前後の映像をコンピュータグラフィクスで投影する展示は、来館者に原子爆弾が与える被害の大きさを視覚的に伝えるのための有益な手段となっていました。


こうした手法は例えばフランス・アルザス地方にある抵抗運動ヨーロッパセンターの展示にも採用されています。また、靖国神社の展示施設である遊就館の洗練された展示をも参照したことが推察されます。


一方、常設展と企画展を含め、原子爆弾の投下された1945年8月6日の状況とその後の悲惨さを展示することに焦点が当てられたため当時の日本の政府や軍部の反応、あるいは他の地域の人々が「新型爆弾」をどのように理解したかという点が不明瞭となっていたことには、改善の余地があると考えられました。


もとより、原子爆弾の被害の大きさを伝えることが重要であることは論を俟ちません。


それとともに、広島市への原子爆弾の投下が1945年8月6日以降の日本の人々にどのような印象を与えたかを示すことも、来館者が事態を相対的あるいは複合的に理解するために必要な措置となります。


展示の内容は定期的に更新されますから、その折に、新な試みのなされることが望まれるところと言えるでしょう。


それでも、展示品の詳細な説明が日英二か国語でなされるなど、多様な来館者を念頭に置いた取り組みは高く評価されるものであり、今後も展示の一層の充実が期待されるところです。


<Executive Summary>
Miscellaneous Impressions of the Hiroshima Peace Memorial Museum (Yusuke Suzumura)


I visited the Hiroshima Peace Memorial Museum on 7th December 2019. On this occasion I express miscellaneous impressions of the museum.


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