講演・口頭発表等

2015年

落葉の有機物分解にともなう放射性セシウム濃度の年次変化

日本森林学会大会発表データベース
  • 市川 貴大
  • ,
  • 逢沢 峰昭
  • ,
  • 大久保 達弘

開催年月日
2015年 - 2015年
記述言語
日本語
会議種別
主催者
日本森林学会

【目的】東京電力福島第一原子力発電所の事故により,大量の放射性核種が大気や海水中に放出され,高濃度の放射性セシウム(Cs)が含まれる可能性のある堆肥等の施用・生産・流通の自粛が要請された。そこで,落葉分解にともなう放射性Cs濃度の年次変化を把握することで,分解期間の違いによる落葉の放射性Cs濃度上昇の変化を明らかにする。【方法】試験は栃木県塩谷町熊ノ木地区のコナラ林(Quercus serrata Thunb.)で行った。1m×1m,深さ30cmの底の開いた木枠を設置し,2012年1月と2013年3月および2014年3月に林床に堆積している落葉をかき集め,各木枠内に収まるように敷き詰めて有機物分解させた。【結果】2012年1月から分解させた落葉の放射性Cs濃度は同年10月に急激に上昇し,2013年から2014年にかけて概ね一定で推移した。2012年1月,2013年3月および2014年3月から分解させた落葉の放射性Cs濃度はいずれの年も同年9~12月にかけて上昇がみられたが,2014年では2012,2013年と比べて上昇は緩やかであった。表層土壌からの微生物による放射性Csの取り込みが,2014年ではそれ以前と比べて起きにくくなっている可能性が示唆された。

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DOI
https://doi.org/10.11519/jfsc.126.0_399