2010年
里山保全活動における落葉堆肥化 : 堆肥化年数の違いによる化学・生物的変化と植物生育に及ぼす影響
森林立地
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- 巻
- 52
- 号
- 1
- 開始ページ
- 11
- 終了ページ
- 18
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.18922/jjfe.52.1_11
- 出版者・発行元
- 森林立地学会
近年わが国では,里山保全活動の一環として落ち葉かきの実施と堆肥づくりが再び行われはじめている。本研究では里山における落ち葉堆肥の堆肥化年数の違いによる化学的・生物的性質の変化を把握するとともに,植物の生育に及ぼす影響について明らかにすることを目的とした。落ち葉かき直後の落ち葉と堆肥化1年後の有機物について,重量含水率や窒素含有率,C/N比,腐植化を示す指標(A_<600>),水抽出態溶存炭素量,微生物バイオマス炭素量,微生物活性を示す指標(A_<490>)について有意な差がみられた。堆肥化1年後以降の有機物については概ね違いがみられなかった。また,植物の生育試験結果から,堆肥化1年後以降の有機物を化学肥料とともにすきこめば植物の生育を促進させることが明らかとなった。以上のことから,堆肥化1年後以降の有機物であれば,堆肥として有効であることが明らかとなり,腐植化と微生物活性を示す指標(A_<600>,A_<490>)は落ち葉堆肥の腐熟度の把握と植物への生育を阻害しない指標として有効であることが示唆された。
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.18922/jjfe.52.1_11
- ISSN : 0388-8673
- CiNii Articles ID : 110007642295
- CiNii Books ID : AN00124077