共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年6月 - 2020年3月

生体深部の見えない力を可視化する蛍光ポリマー素材の開拓

日本学術振興会  科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)  挑戦的研究(萌芽)

課題番号
18K19940
体系的課題番号
JP18K19940
配分額
(総額)
6,240,000円
(直接経費)
4,800,000円
(間接経費)
1,440,000円

生体の力に対する応答の積極的利用は、医療の様々な局面における診断や治療の重要なカギとなりつつある。本研究では生体深部における高分子のひずみを、生体透過性の高い近赤外蛍光を用いて可視化することにより、生体深部で働く力を可視化するポリマー素材を開発するとともに、生体深部の力の可視化の方法を確立することを目的とする。本研究では特定のポリマー素材に一方の蛍光波長がもう一方の励起波長に相当するように2種の色素を均一に溶解し、ポリマーの変形に伴う分子間距離の変化を敏感に反映して変化する両色素の蛍光強度比から、ポリマー素材のひずみの変化を定量的に検出する。
計画初年度は、溶液系において近赤外蛍光色素(ICG/IR-1061)でのICG励起(800 nm励起/950 nm蛍光)、IR-1061蛍光(950 nm励起、1150 nm蛍光)の濃度と蛍光特性の変化の相関を求めることができた。研究開始当初はICGの激しい退色とIR-1061の化学的な失活が大きな課題となった。そこで色素の溶解条件(二種の色素の濃度、溶解方法)等を種々検討した結果、溶液中で数時間OTN-NIR蛍光を維持できる状態を実現することができた。さらに両色素をドープした高分子材料を作ることができた。
これをベースに、研究二年度目では高分子の変形に伴う蛍光の変化をイメージングにより可視化するプロセスに移行する。さらに得られたデーターをFEMの結果と照らし合わせ、その変形挙動や応力と蛍光像の関係を詳細に検討するとともに、動物組織を透過した際の変形撮像を実施し、本研究提案の原理を実証する。

リンク情報
URL
https://kaken.nii.ac.jp/file/KAKENHI-PROJECT-18K19940/18K19940seika.pdf
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18K19940
ID情報
  • 課題番号 : 18K19940
  • 体系的課題番号 : JP18K19940