共同研究・競争的資金等の研究課題

2020年4月 - 2022年3月

設計想定外の極大地震作用に対する橋梁の構造制御法に関する基礎研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究  若手研究

課題番号
20K14816
体系的課題番号
JP20K14816
配分額
(総額)
2,600,000円
(直接経費)
2,000,000円
(間接経費)
600,000円

設計想定外の地震作用の中に,従橋梁の耐震設計手法では考慮されておらず,複数回の地震作用に対する橋梁の残存耐震性能に関する検討を地震被害調査や地震応答解析によって実施した.
まず,研究期間に2021年2月および2022年3月福島県沖の地震による橋梁の被害調査を実施した.福島県・宮城県の周辺地域では、1978年の宮城県沖地震、2011年の東北地方太平洋沖地震、2021年および2022年の福島県沖地震と複数回の地震が発生しており,度重なる地震被害を生じており,被害の様相からも複数回地震作用に対する橋梁の耐震性能の評価が重要であることが確認できた.
これらの地震に対して,新幹線の2層式RCラーメン高架橋の中層梁にせん断損傷が生じているが,本研究では2層式RCラーメン高架橋を対象に,中層梁の地震損傷が,残存耐震性能(余震に対する抵抗性)に与える影響を様々な振幅倍率の2回の地震動入力による非線形FEM地震応答解析によって評価した.
1回目の地震動入力に対する解析結果から,中層梁の損傷が先行するL2地震動では入力地震動の振幅倍率が0.8以下の範囲,K-NET竹原では入力地震動の振幅倍率が2.0以下の範囲では,IDA曲線の線形性が概ね維持できていることが読み取れる.これは,中層梁のコンクリートの圧縮軟化や中層梁の帯鉄筋の降伏が構造系全体の動的応答特性に与える影響は小さいということを意味し,中層梁の損傷が2層式ラーメン構造の残存耐震性能に与える影響は軽微である可能性があるといえる.
また,中層梁の損傷を有した状態からの2回目の地震動入力に対する解析結果は,中層梁の損傷がある場合と損傷のない場合と比較して,最大応答変位は最大で20%程度大きくなることが確認された.

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20K14816
ID情報
  • 課題番号 : 20K14816
  • 体系的課題番号 : JP20K14816

この研究課題の成果一覧

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MISC

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