共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年6月 - 2020年3月

カーボンナノチューブ界面での電子輸送-ユビキタスガスセンサーへの道-

日本学術振興会  科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)
  • 井上 修平
  • ,
  • 千足 昇平
  • ,
  • 井ノ上 泰輝

課題番号
18K18826
担当区分
研究分担者
配分額
(総額)
6,240,000円
(直接経費)
4,800,000円
(間接経費)
1,440,000円

本研究の直接的な目的は、カーボンナノチューブ(CNT)を利用した超低電力ガスセンサーを実現するためにガス分子吸着による応答メカニズムを解明することである。吸着平衡定数の計測と初期応答の測定によりCNTへのガス分子吸着の基礎特性を調べる。広い意味での目的はナノスケール界面での電子輸送を明らかにすることであり、エレクトロニクスや生体医工学の分野への波及・貢献において期待できる。現在主流のガスセンサーは消費電力が大きく、電源から独立して使用することができない。これは分子吸着によるキャリア濃度の変化を利用するため反応性を高める必要があるからである。小型化による対応が行われているが既存技術の延長で限界が見えている。本研究で対象とするセンサーはCNT-CNT界面でのキャリア移動度の変化を利用するため加熱電源が不要、且つ応答原理に吸着ガス分子の3つの物理特性(分子直径、吸着エネルギー、誘電率)が影響するため単独で分子種の特定が可能となる。これは現時点では実現していない夢の技術である。
今年度はガス分子吸着直後の応答と高感度化への検討を行った。極性分子と無極性分子とで薄膜吸着直後の応答が全く異なることが観察された。これは今までだれも報告していなかった現象で実用化に向けては重要な知見となる。無極性分子に関しては吸着直後の非常に短い時間だけであるが過剰な応答を示した。もしこれが一般的に適用できるのであればガス分子の種類を特定するのに応用することが可能となる。さらに好感度化への検討であるが薄膜の厚みに対する応答の違いを実験的に検討した。厚みが増すにつれてガス分子にさらされる割合が減少するためか感度が低くなることが確認された。しかし薄膜の隙間と分子の大きさとを比較すると妥当な検討とはいえず今後さらに検討すべき課題である。