共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年4月 - 2020年3月

直接合成と後処理による半導体CNT配向構造の作製

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究(B)
  • 井ノ上 泰輝

課題番号
17K14601
担当区分
研究代表者
配分額
(総額)
4,420,000円
(直接経費)
3,400,000円
(間接経費)
1,020,000円

高性能な電界効果トランジスタ作製に向けては一様に高密度な単層カーボンナノチューブ(CNT)配向構造の合成が必要であることから、化学気相成長法による単層CNTの成長過程について詳細な分析を行った。13C同位体を含有したエタノールを炭素源として用いたラベリング合成とラマンマッピング測定により、従来の手法では得られなかった単一単層CNTの成長曲線を取得することに成功した。多数の単層CNTの成長過程の分析により、単層CNTの構造と成長速度・成長寿命等の関係について知見を得た。これらの結果は、より長尺・高密度かつ高い一様性を有する単層CNT配向構造の合成につながる。また、単層CNTの周囲環境からの保護による安定化と導電特性の向上を目指し、単層CNTと六方晶窒化ホウ素を複合化する手法を開発した。単層CNTをテンプレートとして用い、アンモニアボラン粉末を原料とすることで、単層CNTの周囲に同心状に1層から数層の窒化ホウ素層を合成することに成功した。複数の分光計測と電子顕微鏡観察により単層CNTと窒化ホウ素の構造を分析するとともに、窒化ホウ素層の合成後も単層CNTの導電性が保たれることを確認した。また、窒化ホウ素は高い耐熱性を持つことが知られているが、窒化ホウ素層で覆われた単層CNTは従来の単層CNTよりも高い温度まで空気中での燃焼が生じないことを確認した。2次元物質によるヘテロ構造の研究は近年盛んであるが、本研究で得られた新たな1次元ヘテロ構造も積層構造の制御による物性変調や新奇デバイス応用へと展開する可能性を持つ。