2018年12月
発作性夜間血色素尿症合併妊娠の一例
日本周産期・新生児医学会雑誌
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- 巻
- 54
- 号
- 4
- 開始ページ
- 1150
- 終了ページ
- 1154
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- 出版者・発行元
- (一社)日本周産期・新生児医学会
症例は22歳時の妊娠初期から汎血球減少症を認め、骨髄異形成症候群が疑われていた。妊娠34週2日に帝王切開で分娩し、児は1896gの女児であった。分娩後、発作性夜間血色素尿症(PNH)と診断され、ワルファリンによる抗凝固療法、蛋白同化ホルモン、プレドニゾロンなどの投与を受け、末梢血のDNAより補体C5遺伝子にc.2654G→A変異を認めエクリズマブ不応例と判明した。33歳時に再び妊娠し、初期から産褥6週まで未分画ヘパリンを投与した。溶血発作に対しては補液が有効であり、貧血が進行した際には適宜輸血を行った。妊娠33週で血小板減少が進行したため全身麻酔下で帝王切開術を施行し、出血量は羊水込み575gであった。新生児は1868gの女児であり、呼吸障害は認めず、高ビリルビン血症・低血糖を認めたが治療によく反応し、日齢32に退院した。母体は産褥15日目に退院した。
- ID情報
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- ISSN : 1348-964X
- 医中誌Web ID : 2019067742