2016年7月
不妊治療中に左付属器膿瘍と直腸瘻をきたした腸管子宮内膜症の1例
日本エンドメトリオーシス学会会誌
- 巻
- 37
- 号
- 開始ページ
- 155
- 終了ページ
- 160
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 研究論文(学術雑誌)
- 出版者・発行元
- 日本エンドメトリオーシス学会
38歳。32歳時に前医で左卵巣に3cmのチョコレート嚢胞を指摘され、経過観察されていた。35歳で結婚し、このとき嚢胞径は5cmであった。挙児希望があったが自然妊娠しないため37歳からAIHを開始された。3回目のAIHを受けた後、妊娠せず月経が発来し、その後38℃台の発熱と左下肢痛が出現した。骨盤内炎症性疾患を疑われ、レボフロキサシンの内服加療が行われた。その結果、左下肢痛は軽快し、解熱傾向も認められたが、左卵巣嚢胞が7cmに増大し、左付属器膿瘍を疑われ、当科に紹介された。諸検査の結果から、左付属器膿瘍と直腸瘻をきたした腸管子宮内膜症と診断し、左付属器摘出術+チョコレート嚢胞焼灼術を施行後に腹腔鏡下低位前方切除術を行った。さらに経肛門チューブを腸管内に留置し、術後経過は良好であった。
- ID情報
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- 医中誌Web ID : 2016372330