共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年4月 - 2025年3月

誤情報持続効果が生じる認知メカニズムの解明とその抑制方法に関する実証研究

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

課題番号
21K12605
体系的課題番号
JP21K12605
配分額
(総額)
4,160,000円
(直接経費)
3,200,000円
(間接経費)
960,000円

誤情報持続効果(continued influence of effect of misinformation)とは,誤情報の誤りを指摘する訂正情報を知った後も,誤情報を信じ続け,その影響を受け続ける心理現象である。誤情報持続効果は,訂正情報に視覚的注意を払っていても,訂正情報を記憶していても生じる。このことは,手元のICT端末に有益な訂正情報が受信・表示されているにもかかわらず,それがユーザーの意思決定および行動変容につながらない可能性を示唆する。誤情報が社会にもたらす影響を制御するためには,誤情報持続効果が生じるより高次の認知プロセスを解明し,それらを考慮した介入手法を確立することが求められる。本研究は,ユーザーの認知と情報デザインとのインタラクションの観点から,これまでに蓄積されてきた心理学的知見を活かしつつ,ICT環境での誤情報の認知メカニズムの解明および誤情報持続効果緩和のための介入手法の検討に取り組むことを目的としたものである。
初年度である2021年度は,これまでに心理学領域で蓄積されてきた誤情報持続効果に関する研究のレビューを行った。最新の実証研究も含めて過去数十年の研究を調査することにより,誤情報持続効果が生じる心理プロセスに関する説明モデル,関連がみられた説明変数を整理するとともに,残されている課題を検討した。また,誤情報問題という社会的影響力の大きい課題に対し,現時点で実行可能な対策についても整理した。これらの研究の成果は展望論文として投稿し,学術誌に採択された。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21K12605
ID情報
  • 課題番号 : 21K12605
  • 体系的課題番号 : JP21K12605

この研究課題の成果一覧

論文

  3

書籍等出版物

  1

講演・口頭発表等

  7

社会貢献活動

  1

メディア報道

  4