2017年4月 - 2020年3月
匈奴大型墓の出現年代解明-大型墓から出土した中国系文物の調査
日本学術振興会 科学研究費助成事業 特別研究員奨励費 特別研究員奨励費
- 課題番号
- 17J08881
- 体系的課題番号
- JP17J08881
- 担当区分
- 研究代表者
- 配分額
-
- (総額)
- 2,470,000円
- (直接経費)
- 1,900,000円
- (間接経費)
- 570,000円
- 資金種別
- 競争的資金
2年目である本年度は、匈奴墓に関する考古関係の文献資料の収集を前年度に引き続いて行った。特に、ロシアに所在する匈奴墓に関する考古関係の文献資料の収集を中心に進めた。匈奴の遺跡については、3年間の本研究の終了時に今後の匈奴研究において基礎資料とできる遺跡別の集成資料の公開ができればと考えていた。写真図版も入れた形での公表の準備のために協議を始め、条件面を調整した結果、邦訳版『匈奴:モンゴル最初の遊牧帝国』を刊行することになった。近年の匈奴考古学の成果を反映した書籍であり、2019年の刊行を目指して同書の訳出を進めると同時に、内容の再検討を進めた。
本研究のねらいである中国系文物に対する検討については、出土漆器について大きな成果があがった。昨年度、放射性炭素年代測定の資料として漆器片が提供されていたが、漆器は紀年銘文をもつ漢代の中央工官「考工」で製作された資料の破片であった。漢代のもう一つの工官である「蜀西」製の資料については実施例があったものの、考工製の漆器についてはこれまでプレパラートを作成して木地と漆塗の工程を観察がされた事例がなかったため、京都造形大学へ依頼して切片の作成と塗りの確認を行った。漆器全体の写真合成による復元、図化、ならびに銘文の釈読と漢代漆器資料との比較といった考古学的な側面の検討も進め、ロシア側の発掘調査者と共に論文を執筆し、The Asian Archaeologyに投稿した。このほかにも、匈奴墓から出土した漢字銘文のある資料について本年は集中的に検討し、漢代の手工業生産とその管理体制の変遷について検討を行った。
2019年7月から8月にかけて、ロシア側の調査機関が実施しているオルゴイトン遺跡の発掘調査に参加した。これによって匈奴墓の構造について発掘を通して理解を深めることができ、また本年度の放射性炭素年代測定については、この遺跡を中心にサンプルを採取して測定を行った。
本研究のねらいである中国系文物に対する検討については、出土漆器について大きな成果があがった。昨年度、放射性炭素年代測定の資料として漆器片が提供されていたが、漆器は紀年銘文をもつ漢代の中央工官「考工」で製作された資料の破片であった。漢代のもう一つの工官である「蜀西」製の資料については実施例があったものの、考工製の漆器についてはこれまでプレパラートを作成して木地と漆塗の工程を観察がされた事例がなかったため、京都造形大学へ依頼して切片の作成と塗りの確認を行った。漆器全体の写真合成による復元、図化、ならびに銘文の釈読と漢代漆器資料との比較といった考古学的な側面の検討も進め、ロシア側の発掘調査者と共に論文を執筆し、The Asian Archaeologyに投稿した。このほかにも、匈奴墓から出土した漢字銘文のある資料について本年は集中的に検討し、漢代の手工業生産とその管理体制の変遷について検討を行った。
2019年7月から8月にかけて、ロシア側の調査機関が実施しているオルゴイトン遺跡の発掘調査に参加した。これによって匈奴墓の構造について発掘を通して理解を深めることができ、また本年度の放射性炭素年代測定については、この遺跡を中心にサンプルを採取して測定を行った。
- リンク情報
- ID情報
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- 課題番号 : 17J08881
- 体系的課題番号 : JP17J08881