2021年4月 - 2024年3月
固体地球応答モデルを用いた中新世温暖期の南極氷床変動に伴う海水準変動の評価
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究 若手研究
本研究では、中新世温暖期(約1700-1400万年前)におけるローカルな相対的海水準変動を説明できる全球的な氷床量変動を明らかにし、底生有孔虫のδ18O変動との直接比較を可能とすることを目的とする。具体的には、GIAの数値シミュレーションを用いて中新世温暖期における相対的海水準変動を再現し、世界各地のシークエンス層序学に基づく相対的海水準変動の観測データと比較することで、中新世温暖期の氷床変動史を復元する。
当該年度はGIAの数値シミュレーションについて、これまでに開発したプログラムを基に、 約1700-1400万年前の相対的海水準変動を再現できるように最適化を行った。本研究では、数百万年間という長期間を効率的に計算する必要があるため、計算コードの高速化を図った。また、GIAの数値シミュレーションに必要な入力値であるマントル粘性率構造について特定のパラメータを採用したとき、数百万年間という長期間を数値シミュレーションすると数値的に不安定が生じるという問題を解決した。不安定が生じる原因は主に上部マントル(深さ670 kmまでの領域)における密度構造によることを明らかにした。上部マントルの密度構造を修正することで、結果を大きく変えることなく、長期間に渡って安定的に数値シミュレーション可能となった。改良したコードを用いて、中新世温暖期の相対的海水準変動の再現し、氷床変動史について広範囲なパラメータ領域で数値シミュレーションを展開する準備を進めている。
当該年度はGIAの数値シミュレーションについて、これまでに開発したプログラムを基に、 約1700-1400万年前の相対的海水準変動を再現できるように最適化を行った。本研究では、数百万年間という長期間を効率的に計算する必要があるため、計算コードの高速化を図った。また、GIAの数値シミュレーションに必要な入力値であるマントル粘性率構造について特定のパラメータを採用したとき、数百万年間という長期間を数値シミュレーションすると数値的に不安定が生じるという問題を解決した。不安定が生じる原因は主に上部マントル(深さ670 kmまでの領域)における密度構造によることを明らかにした。上部マントルの密度構造を修正することで、結果を大きく変えることなく、長期間に渡って安定的に数値シミュレーション可能となった。改良したコードを用いて、中新世温暖期の相対的海水準変動の再現し、氷床変動史について広範囲なパラメータ領域で数値シミュレーションを展開する準備を進めている。
- ID情報
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- 課題番号 : 21K14016
- 体系的課題番号 : JP21K14016