共同研究・競争的資金等の研究課題

2003年 - 2005年

はめ込み理論の幾何的様相と有限型不変量及び特異点理論との関係

日本学術振興会  科学研究費助成事業 特別研究員奨励費
  • 高瀬 将道

課題番号
03J08036
配分額
(総額)
3,400,000円
(直接経費)
3,400,000円

3本の論文をまとめ、うち2本が雑誌に受理された。残りの1本も既に投稿済みである。
受理されたうちの1つめの論文では、3次元ホモロジー球面の6次元球面への滑らかな埋め込みに対してそのザイフェルト膜の言葉によって整数値の不変量を定義した。次にこの不変量が与えられた埋め込みのイソトピー類の完全不変量になることを示した。これを用いてこのような埋め込みのホモロジーボルディズム類を完全に記述することに成功した。結果として、3次元ホモロジー球面の6次元球面への二つの滑らかな埋め込みがイソトピックである必要充分条件はそれらがホモロジーボルダントであることを示した。ここで与えた不変量はその記述が、KuperbergとThurstonによるキャッソン不変量の記述に似通っていて、それとの関係も非常に興味深い。
二つめの論文では、3次元有向多様体の4次元空間へのはめ込みの有向ボルディズムを特異ザイフェルト膜の言葉で記述した。代数トポロジーの立場から見ると次数3の安定ホモトピー群に新しい解釈を与えていると言える。また微分可能写像の特異点論の立場から見ると、トム多項式の境界付バージョンを得ているとも言える。
そのほか、4次元球面の7次元球面への滑らかな埋め込みや余次元が3以上の埋め込みに対するスピニングについて精力的に研究を進めている。主に低(3、4)次元多様体の高(5、6、7)次元多様体への埋め込み・はめ込みを非常に幾何的な手法で研究しており、全体として「中次元トポロジー」とも呼べるような新しい研究分野を開拓しつつある。