2020年4月 - 2023年3月
水中希薄汚染物質の高効率分解を目指した多孔性錯体結晶による濃縮電解酸化技術の開発
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)(一般)
- 課題番号
- 20K12225
- 体系的番号
- JP20K12225
- 担当区分
- 研究代表者
- 配分額
-
- (総額)
- 5,280,000円
- (直接経費)
- 4,290,000円
- (間接経費)
- 990,000円
- 資金種別
- 競争的資金
水質浄化技術の一つである電解酸化法は、様々な汚染物質に対して有効な分解技術であることが既に多くの研究者によって報告されているが、その水溶液中の汚染物質が希薄な場合、この手法は投入エネルギーの多くが水の分解に消費されてしまうため、エネルギー効率の点で改善の余地がある。そこで本研究課題では、希薄な水中汚染物質をまず吸着材によって濃縮し、その濃縮された汚染物質をその後の電解酸化によって分解するという新たな高エネルギー効率の分解手法を確立することを目的としている。吸着剤としては、近年その高い選択性と高い吸着性能で注目されている多孔性錯体結晶を用いた。
令和2年度の研究実施計画では、まず吸着分解を実証することにした。対象物質としては、超難分解性物質で発がん性が指摘されているペルフルオロオクタン酸(PFOA)とした。吸着材としては、PFOAに対する高い吸着力を有するZIF-8を用いた。その結果、吸着分解を実証することに成功したが、吸着材であるZIF-8自身の分解にエネルギーが使われるためにPFOAの無機化率が低下するという課題が明らかとなった。そこで、吸着後のZIF-8を酸によって予め壊し、塩基による中和を経て電気分解を行うという新たな酸→塩基処理によって、PFOAの無機化率を向上させることに成功した。
令和3年度の研究実施計画では、次の段階として、まずこのZIF-8を用いてPFOAの濃縮を行い、その後の電気分解によって高効率な濃縮分解技術の可能性を追求した。具体的には、まずZIF-8によってPFOAを5倍濃縮し、その後の電気分解によって無機化の効率向上を試みた。その結果、無機化エネルギー効率の向上には成功したが、その向上は濃縮率の5倍を下回る2倍弱の結果となった。今後、この原因追及とさらなる効率向上を目指していく予定である。
令和2年度の研究実施計画では、まず吸着分解を実証することにした。対象物質としては、超難分解性物質で発がん性が指摘されているペルフルオロオクタン酸(PFOA)とした。吸着材としては、PFOAに対する高い吸着力を有するZIF-8を用いた。その結果、吸着分解を実証することに成功したが、吸着材であるZIF-8自身の分解にエネルギーが使われるためにPFOAの無機化率が低下するという課題が明らかとなった。そこで、吸着後のZIF-8を酸によって予め壊し、塩基による中和を経て電気分解を行うという新たな酸→塩基処理によって、PFOAの無機化率を向上させることに成功した。
令和3年度の研究実施計画では、次の段階として、まずこのZIF-8を用いてPFOAの濃縮を行い、その後の電気分解によって高効率な濃縮分解技術の可能性を追求した。具体的には、まずZIF-8によってPFOAを5倍濃縮し、その後の電気分解によって無機化の効率向上を試みた。その結果、無機化エネルギー効率の向上には成功したが、その向上は濃縮率の5倍を下回る2倍弱の結果となった。今後、この原因追及とさらなる効率向上を目指していく予定である。
- ID情報
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- 課題番号 : 20K12225
- 体系的番号 : JP20K12225