1996年1月
微小変形特性を利用した炭素材料の残留ひずみ計測法の開発
日本機械学会論文集,A
- ,
- 巻
- 62
- 号
- 602
- 開始ページ
- 2305
- 終了ページ
- 2309
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- DOI
- 10.1299/kikaia.62.2305
- 出版者・発行元
- 一般社団法人日本機械学会
高温工学試験研究炉の黒鉛構造物には、原子炉の運転とともに中性子照射による寸法収縮変形およびクリープ変形により残留ひずみが蓄積される。したがって、原子炉の安全運転の観点から、黒鉛構造物中に蓄積される残留ひずみの程度を非破壊的に計測する必要がある。一方、黒鉛の応力・ひずみ曲線が非線形性を示すことから、残留ひずみの蓄積により材料の変形特性が異なることが予想される。そこで、種々の引張模擬残留ひずみを発生させた試験片表面に微小硬度計によりダイヤモンド圧子を押し込み、連続的に押し込み荷重と深さを計測した。その結果、残留ひずみの増加により圧子の押し込み深さが増加し、変形抵抗の減少が認められるとともに、微小硬さが減少した。したがって、黒鉛構造物の残留ひずみ計測法として、微小硬度計を用いて硬さ分布を測定することにより、残留ひずみが非破壊的に検知可能であることがわかった。
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.1299/kikaia.62.2305
- ISSN : 0387-5008
- CiNii Articles ID : 110002372895
- CiNii Books ID : AN0018742X