2020年9月
【胆嚢癌外科診療は進歩したか-現状と問題点-】至適リンパ節郭清範囲 領域リンパ節とは
胆と膵
- 巻
- 41
- 号
- 9
- 開始ページ
- 851
- 終了ページ
- 855
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 医学図書出版(株)
胆嚢癌根治手術の際の至適リンパ節郭清範囲に関して、文献をレビューすることで考察した。本邦、AJCC、UICCのすべての規約において、肝十二指腸間膜内および総肝動脈幹リンパ節は領域リンパ節に含まれている。しかし、本邦の規約のみ上膵頭後部リンパ節が、UICCの規約のみ腹腔動脈周囲および上腸間膜動脈リンパ節が領域リンパ節に含まれていることが規約間の相違点である。転移頻度と切除成績の両者の観点から、上膵頭後部リンパ節は領域リンパ節として取り扱うのが妥当である。一方、腹腔動脈周囲および上腸間膜動脈リンパ節は、少数の転移陽性症例の検討が存在するにすぎず、現時点では、領域リンパ節とすることは推奨できない。進行胆嚢癌において、腫瘍学的に根治をめざして郭清するべきリンパ節の至適範囲は、本邦の胆道癌取扱い規約第6版の定める領域リンパ節とすることが妥当である。(著者抄録)
- ID情報
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- ISSN : 0388-9408
- ISBN : 9784865173871
- 医中誌Web ID : 2020399649