2017年
発達障害児におけるコミュニケーションの特徴 : 自閉症スペクトラム障害,知的障害の有無による影響
北翔大学教育文化学部研究紀要 = Bulletin of Hokusyo University School of Education and Culture Department
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- 巻
- 2
- 号
- 2
- 開始ページ
- 1
- 終了ページ
- 11
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 北翔大学
本研究では,発達障害児103名を対象として,知的障害・自閉性スペクトラム障害の有無によるコミュニケーションの特徴について検討した。発達障害児は自閉症スペクトラム障害及び知的障害の有無によりPDD群,MR 群,PDD+MR 群,no PDD+MR群との4群に分けた。また,各群は年齢により幼児と学齢に分けられた。各群の田中ビネーのIQ,WIPPSYのFIQ,WISC‐ⅢのFIQの平均値は,幼児のPDD群で95.7(SD=18.4),MR 群で65.3(SD=14.3),PDD+MR 群で73.8(SD=16),no PDD+MR 群で105(SD=13.2),であった。また,学齢のPDD群で96(SD=14),MR 群で60.9(SD=11.3),PDD+MR 群で64.1(SD=10.6),noPDD+MR 群で93.1(SD=14.3)であった。本研究では主に①課題説明への付加的な手段の必要性,②回答が分からない時の反応の特徴,③コミュニケーションを促進する有効な手段について明らかにした。結果,課題説明への付加的な手段を必要とした幼児の平均得点はno PDD+MR 群で0.8点(SD=0.6点),PDD群で1.2点(SD=0.6点),MR 群で1.0点(SD=0.7点),PDD+MR 群で1.3点(SD=0.7点)であり,no PDD+MR 群で最も低く,PDD+MR 群で最も高かった。また,学齢児で付加的な手段を必要とした児童の割合は,no PDD+MR 群で0.3点(SD=0.5点),PDD群で0.5点(SD=0.5点),MR 群で0.7点(SD=0.5点),PDD+MR 群で1.1点(SD=0.6点)であり,no PDD+MR 群で最も低く,PDD+MR 群で最も高かった。有効であったコミュニケーションの促進手段は,大きく10に分類され,『詳細に話すよう促す』,『短文にする』,『必要事項を強調』,『身近なことを置き換える』,『選択肢の提示』,『繰り返す』の順に高かった。
- リンク情報
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- CiNii Articles
- http://ci.nii.ac.jp/naid/40021473122
- CiNii Books
- http://ci.nii.ac.jp/ncid/AA12749514
- ID情報
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- ISSN : 2189-857X
- CiNii Articles ID : 40021473122
- CiNii Books ID : AA12749514
- identifiers.cinii_nr_id : 9000383218437