論文

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2020年9月18日

Rain-induced bioecological resuspension of radiocaesium in a polluted forest in Japan

Scientific Reports
  • Kazuyuki Kita
  • ,
  • Yasuhito Igarashi
  • ,
  • Takeshi Kinase
  • ,
  • Naho Hayashi
  • ,
  • Masahide Ishizuka
  • ,
  • Kouji Adachi
  • ,
  • Motoo Koitabashi
  • ,
  • Tsuyoshi Thomas Sekiyama
  • ,
  • Yuichi Onda

10
1
記述言語
英語
掲載種別
研究論文(学術雑誌)
DOI
10.1038/s41598-020-72029-z

(雨による放射性セシウムの森林内再浮遊)
雨は大気中のエアロゾルを除去するというのが、従来の認識でした。しかし、近年、雨はエアロゾルを大気中に放出する役割を担っているのではないかという疑問がいくつかの研究者によって提起されています。本研究では、森林環境における雨によるエアロゾル放出の新たな証拠となる、放射性セシウムを含むエアロゾルの日本の森林における雨による発生を示しました。2011年3月の原発事故に起因する放射性セシウムの再浮遊の影響と主要因を明らかにするために、福島県の立ち入り禁止区域内の典型的な山村地域で放射性エアロゾルの一般観測を実施した。また、汚染された森林における大気中の放射性セシウムの発生源を明らかにするために、森林において天候に応じたサンプリング(雨のある状態とない状態)を実施しました。その結果、雨によって森林の大気中の放射性セシウムが増加することが分かりました。さらに調査を進めると、再浮遊した放射性セシウムの菌類胞子源は雨天時と非雨天時で異なるようであることが確認された。雨天時には非雨天時よりも大きな真菌粒子(おそらく大胞子)が放出されることから、雨滴による飛沫発生が放射性セシウムを含むカビ様真菌の浮遊の主要なメカニズムであることが示唆された。今回の結果は、森林生態学、気象学、気候学、公衆衛生学、農業など、真菌胞子が重要な意味を持つ研究分野において、放射性セシウムをトレーサーとして利用できる可能性があることを示している。

リンク情報
DOI
https://doi.org/10.1038/s41598-020-72029-z
PubMed
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/32948784
URL
https://www.nature.com/articles/s41598-020-72029-z
Scopus
https://www.scopus.com/inward/record.uri?partnerID=HzOxMe3b&scp=85091242242&origin=inward 本文へのリンクあり
Scopus Citedby
https://www.scopus.com/inward/citedby.uri?partnerID=HzOxMe3b&scp=85091242242&origin=inward
ID情報
  • DOI : 10.1038/s41598-020-72029-z
  • eISSN : 2045-2322
  • PubMed ID : 32948784
  • SCOPUS ID : 85091242242

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