2016年4月 - 2018年3月
RNA結合蛋白のアイソフォームに内在する食道癌促進分子スイッチの分子機序の解明
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究 挑戦的萌芽研究
RNA結合蛋白であるTIA1の食道扁平上皮癌促進作用は、セリン・スレオニンに富んだ天然変性領域を持つアイソフォームTIA1a特異的であった。TIA1a特異的領域周囲の候補リン酸化部位に変異を導入するとTIA1aの細胞内局在と細胞増殖が変化し、この領域を含むペプチドはTIA1aの細胞質局在を阻害した。CHK1がキナーゼ候補と考えられた。一方、細胞質でTIA1aと結合するmRNA候補の3’UTR上で、TIA1aが他のRNA結合蛋白と結合して共同または拮抗的に働くと考えられた。以上から、天然変性領域のリン酸化修飾が分子スイッチとなってTIA1aが細胞質に移行し、癌化促進作用を持つと考えられた。
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- 課題番号 : 16K15618
- 体系的課題番号 : JP16K15618