2004年
東南アジアにおけるアリ-植物-カイガラムシ3者共進化系の分子系統解析
日本生態学会大会講演要旨集
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- 巻
- 51
- 号
- 0
- 開始ページ
- 397
- 終了ページ
- 397
- 記述言語
- 掲載種別
- 研究発表ペーパー・要旨(全国大会,その他学術会議)
- DOI
- 10.14848/esj.ESJ51.0.397.0
- 出版者・発行元
- 日本生態学会
東南アジア熱帯雨林に生育するアリ植物マカランガ属(Macaranga)約300種のうち29種は空洞の幹を持っており,その空洞の中には,ほとんどの場合,シリアゲアリ属(Crematogaster)とカタカイガラムシ属(Coccus)が居住している.カイガラムシは植物の師管液を吸汁し,甘露をアリに与える.さらに,植物は栄養体を分泌してアリに与える.その見返りとして,アリは植物を植食者から防衛する.このような共生関係を3者は結んでいる.<br> これまでの研究から,共生アリは,植物に対して高い種特異性を示し,ここ約1200万年の間,共多様化してきたことが明らかになった(Quek et al. 2004).この高い種特異性は,アリの種特異的な防衛システム,女王アリによる種特異的な寄主選択,アリと植物間の生活史上の相互適応,植物の特異化した幹構造などを含む共適応によって促進されたものである.<br> 今回,ミトコンドリアDNA を用いた解析から,共生カイガラムシの植物・アリに対する種特異性が低いこと,および,カイガラムシとアリの種分化・多様化の年代がほぼ一致することが明らかになった.一方,カイガラムシの核DNA 系統樹を予備的に作成したところ,mtDNA系統樹と一致しなかったことから,過去に種間交雑(浸透交雑)が起こった可能性が示唆された.<br> 講演では,(1)カイガラムシの核DNA系統樹とミトコンドリアDNA 系統樹の比較,および,(2)カイガラムシのミトコンドリア系統樹(+核DNA系統樹),アリのmtDNA系統樹,植物の分子+形態系統樹,3者の系統樹比較を行うことにより3者間共進化の歴史について明らかにする.<br>
- リンク情報
- ID情報
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- DOI : 10.14848/esj.ESJ51.0.397.0
- CiNii Articles ID : 130007011448