2008年10月
CABG後の冠動脈閉塞のためIABPによる循環補助を併用した肝後区域切除術の麻酔経験
臨床麻酔
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- 巻
- 32
- 号
- 10
- 開始ページ
- 1707
- 終了ページ
- 1708
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 真興交易(株)医書出版部
72歳男。59歳時に心筋梗塞に対してCABGが施行されており、合併症として高血圧・糖尿病・慢性腎不全があった。今回、肝細胞癌にて肝後区域切除術を予定した。心機能はNYHA分類III度、頸胸壁心エコーでは左室駆出率0.46、左室は中部下壁でmild hypokinesis、心尖部の前壁はmoderate hypokinesis、他部位はsevere hypokinesisであった。冠動脈造影検査では#1、#10、#11の100%閉塞、#5の50%、#7に75%の狭窄があった。CABGのグラフトは3本で、大伏在静脈が#12に吻合されていたが、吻合部の中枢側に90%の狭窄があった。左内胸動脈は完全閉塞していた。右胃大網動脈(GEA)は左前下行枝#8に吻合されており、グラフト体部が75%狭窄していた。開腹により、GEAの血流低下による心筋虚血の悪化や大量出血が予想されたため、術前にIABPを挿入して手術を行った。術中、腫瘍と下大静脈の強固な癒着があり、剥離の際に大量出血を認め、心係数および収縮期血圧の低下を来たしたが、新たな心筋虚血はみられず、手術を終了した。術後は気管挿管下にカテコラミンとIABPによる循環補助のもとICU管理とし、術後3日にIABPを抜去した。その後、心血管合併症は認めなかった。
- ID情報
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- ISSN : 0387-3668
- 医中誌Web ID : 2009063797