A市の自閉症サポートセンターおよびNPO法人アスペ・エルデの会で参加者を募集し、参加した自閉症スペクトラム(ASD)の診断を有する33名の成人のうち、自己評定とペア評定の両方が得られた16名(男性14名、女性2名)を対象に、サポートホーム事業で実際に使用されているアセスメント尺度をもとに開発した生活チェックアプリの信頼性・妥当性について検討した。自己評定とペア評定の比較において、平均値には大きな差が見られないものの、「健康管理」「社会性」「危機管理」の領域で両者の相関が低いことが示された。信頼性・妥当性の低い項目は、ASD者が苦手とするあいまいな概念を含む項目や対人関係、危機管理に関する項目で特にペア評定との相関が低かった。生活チェックアプリの信頼性・妥当性については、概ね良好な結果が得られ、ASD症状や注意欠陥多動性障害(ADHD)症状が顕著であるほどペア評定の得点が低くなることが示された。