論文

査読有り
2007年11月20日

蒲原有明におけるアーサー・シモンズの影響──「蛇のアンダンテ」の受容をめぐって

超域文化科学紀要
  • 伊藤 由紀

12
開始ページ
278
終了ページ
261
記述言語
日本語
掲載種別
研究論文(大学,研究機関等紀要)
出版者・発行元
東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻

蒲原有明(1875-1952)にはアーサー・シモンズ(Arthur Symons, 1865-1945)の「蛇のアンダンテ」(“The Andante of the Snakes,” 1906)を翻訳した口語自由詩「蛇のANDANTE」(『スバル』1909. 4)と、同じく蛇の得体の知れなさを題材とした文語詩「冷血と倦怠」(『趣味』1912. 9)がある。この2作品の発表された時期は、有明の第4詩集『有明集』(1908)が観念的に過ぎるとして、口語自由詩を標榜する若手らから批判されて間もない頃で、有明は散文詩や口語自由詩の翻訳と創作を試みていた。本稿はこの2作品の分析を通じて、有明がシモンズの詩と詩論を媒介に、当時の若手らと、題材や手法(具体的には、早稲田詩社の醜悪で新奇な題材、自由詩社の「気分詩」、パンの会による外国語の原語表記など)を共有していたことを指摘する。

リンク情報
CiNii Articles
http://ci.nii.ac.jp/naid/40015791974
CiNii Books
http://ci.nii.ac.jp/ncid/AN10552022
ID情報
  • ISSN : 1349-2403
  • CiNii Articles ID : 40015791974
  • CiNii Books ID : AN10552022

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