共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2021年3月

ジェントルキツネザルのタケ食適応過程における味覚受容体進化機構の解明

日本学術振興会  科学研究費助成事業  特別研究員奨励費

課題番号
18J22288
体系的課題番号
JP18J22288
配分額
(総額)
2,800,000円
(直接経費)
2,800,000円
(間接経費)
0円

本研究では、分子と行動の手法を組み合わせて「ジェントルキツネザルのタケ食適応過程における味覚受容体の進化機構の解明」を目的とするものである。具体的には、(1)味覚受容体遺伝子の配列の多様性解析、(2)細胞を用いた受容体の機能解析、(3)生態調査と行動研究を主要なアプローチとしている。本年度は、マダガスカルでの遺伝試料及び植物試料の追加採集に加えて、(1)の配列解析と(2)の受容体の機能解析を中心に実施した。詳細は以下の通りである。
【キツネザル下目4科の苦味受容体TAS2R16の配列決定と機能解析】
初年度に採材した糞中DNAから配列決定した苦味受容体TAS2R16に着目して配列解析と機能解析を実施した。数種類の天然苦味物質に対するTAS2R16の感受性を検討したところ、科ごとに反応特性が異なっており、食性との相関を示唆する結果を得ることができた。
【ジェントルキツネザルTAS2R16の機能解析】
初年度末に解析を始めたヒロバナジェントルキツネザルに加えて、ハイイロジェントルキツネザルについても数種の天然苦味物質を用いてTAS2R16の機能解析を実施した。2種のTAS2R16は類似の反応特性であったが、近縁の果実食キツネザルとは異なる反応特性を示し、タケ食に適した形質を獲得していることが示唆された。そこで、ジェントルキツネザル固有の反応特性を生み出すアミノ酸残基の変異を近縁種との配列比較と部位特異的変異体解析を用いて探索し、いくつかの候補残基を同定した。また、ジェントルキツネザルの共通祖先のTAS2R16配列を推定し、機能解析することで、進化の過程で受容体機能がどのように変化してきたのか推定した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18J22288
ID情報
  • 課題番号 : 18J22288
  • 体系的課題番号 : JP18J22288

この研究課題の成果一覧

論文

  6

書籍等出版物

  1

講演・口頭発表等

  9

社会貢献活動

  3