共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年7月 - 2024年3月

2つの発振源からの波の干渉による繊毛メタクロナールウェーブ伝播方向の制御

日本学術振興会  科学研究費助成事業  挑戦的研究(萌芽)

課題番号
21K19228
体系的課題番号
JP21K19228
配分額
(総額)
6,500,000円
(直接経費)
5,000,000円
(間接経費)
1,500,000円
資金種別
競争的資金

繊毛は単細胞生物ゾウリムシから高等動物の気管上皮、卵管等にまで普遍的に存在する。 細胞表面の多数の繊毛それぞれの前後非対称な屈曲により水流が生じ、ゾウリムシは遊泳し、気管では異物を排出、卵管では卵子を子宮に運搬する。繊毛は1本1本が独立に運動しているにも関わらず、隣接した繊毛は一定の位相差を保って屈曲する。このため屈曲が波として伝播する。この伝播する屈曲の波はメタクロナールウェーブと呼ばれる。
ゾウリムシ体表を伝播するMWの方向は、外液の粘性に依存して変化する。この事実は、まるでメタクロナールウェーブに発振源が存在し、それが外液の粘性に依存して移動することを示唆している。しかし、ゾウリムシの体表に発振源となる構造が存在するとしても、それが移動するとは考えにくく、繊毛のメタクロナールウェーブの伝播方向決定メカニズムは現在も不明である。研究代表者は、もし発振源が2つあれば、発信源が移動しなくても、双方からの波同士の干渉で伝播方向が制御可能ではないかと着想した。応募者はゾウリムシのメタクロナールウェーブが細胞前端と口部という2つの発振源からの波の干渉によって生じると推察し、本研究ではこの仮説を実証することを目指している。
今年度は、この仮設を実証するために、2次元平面でメタクロナールウェーブを観察可能な、ゾウリムシの表層シートを作成し、細胞前端部と細胞後部という2つの箇所からの波の発振を観察した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21K19228
ID情報
  • 課題番号 : 21K19228
  • 体系的課題番号 : JP21K19228