講演・口頭発表等

J-PARCにおける0.4GeV-3.0GeV陽子を用いた核種生成断面積測定,4-2; 銀及びタンタルの核種生成断面積

日本原子力学会2020年春の年会
  • 松田 洋樹
  • ,
  • 竹下 隼人*
  • ,
  • 明午 伸一郎
  • ,
  • 岩元 大樹

開催年月日
2020年3月
記述言語
日本語
会議種別
開催地
福島
国・地域
日本

加速器駆動核変換システム(ADS)における核設計の高度化には高精度な核種生成断面積が必要となるため、当セクションではJ-PARCセンターの加速器施設において0.4$\sim$3.0GeV陽子入射に対する断面積測定を行っている。本研究では、中重核の標的核種となる銀及びタンタルに陽子を照射し核種生成断面積を取得した。測定結果に基づき、ADSの核計算に用いられる核内カスケードモデルと比較検討した。標的核種に近い質量を持つ核種となる${}^{105}$Ag、20個程度の核子を放出して生成される${}^{79}$Kr、及び蒸発核種である${}^{7}$Beの生成断面積に対し、INCL-4.6/GEM, Bertini/GEM、及びINCL-6.0/ABLA07による計算は約50\%の精度で予測きることが示された。しかし、${}^{22}$Na, ${}^{24}$Na、及び標的核種に近い質量となる${}^{101}$Rhの生成断面積では、大幅な過大・過小評価傾向が示された。統計マルチフラグメンテーションモデルを計算モデルに加えて計算したが、増加はするものの実験値を再現するには至らなかった。これら反応を再現するためには、核内フラグメンテーションを考慮することが必要であり、今後の改良が必要なことが示された。

リンク情報
URL
https://jopss.jaea.go.jp/search/servlet/search?5068581