ガラス固化体の溶解に及ぼすFeイオン影響
令和3年度日本原子力学会北関東支部リモート若手研究者・技術者発表会
- 開催年月日
- 2022年1月
- 記述言語
- 日本語
- 会議種別
- 開催地
- online
- 国・地域
- 日本
地層処分の安全評価において、ガラス固化体の長期挙動の予測は非常に重要である。本研究では、0.01M FeCl$_{2}$溶液(FW)と脱イオン水(DIW)を用いて国際標準模擬ガラス(ISG)の静的浸出試験(90$^{\circ}$C、28$\sim$120日)を窒素雰囲気において実施し、炭素鋼オーバーパックの腐食に伴い放出されるFeイオンのガラスの溶解挙動への影響を調査した。試験期間120日時点のホウ素規格化浸出量(NL$_{B}$)を比較すると、FW条件のNL$_{B}$はDIW条件の1/6未満であった。FW条件のガラス表面のXRD, SEM分析では、時間経過に伴いgreen rustからFe-serpentineへと表面析出物種が変化することが確認された。またTEM分析により、FW条件では緻密なゲル層、DIW条件では多孔質なゲル層がそれぞれ観察され、ゲル層の保護性が両条件のNL$_{B}$の違い、すなわち溶解挙動の違いに関係している可能性が示唆された。