共同研究・競争的資金等の研究課題

2021年4月 - 2023年3月

学生の自律性を促す自己評価力を育成する教育方法の開発と効果検証

日本学術振興会  科学研究費助成事業  特別研究員奨励費

課題番号
21J15102
体系的番号
JP21J15102
配分額
(総額)
900,000円
(直接経費)
900,000円
(間接経費)
0円

2021年度は、大きく分けて2つの研究を実施した。1点目は、学生の自己評価力を育成する教育方法の1つである評価練習に関する実証研究である。2点目は、自己評価力に関する理論的な検討である。
1点目の実証研究は、ある大学の授業担当者と受講生の研究協力を得て、実際の授業の一環として教育方法を実施し、得られたデータを分析するものである。まず、以前の調査で得られていたデータ(2018年度後期と2019年度後期の授業において評価練習を実施したデータ)を分析することによって知見を得られる可能性があったため、データの分析や研究室内外での議論を通して様々な検討を行った。その結果、このデータから得られる知見に限界があることが判明したため、改めて授業担当者と受講生の協力を得て、再度調査を実施した。具体的には、異なる2つの条件で評価練習を実施し、自己評価力や学習成果物の質について両群を比較した。条件の違いによる受講生に不利益が生じないような設計で調査を実施した。分析の結果、先行研究では明らかになっていなかった知見が得られたため、現在、投稿論文を作成中である。
2点目の理論研究は、これまでの研究で開発してきた教育方法「協議ワークを取り入れたピアレビュー」と、上記の「評価練習」という2つの教育方法を包括する授業設計モデルをまとめていくにあたり、その前提として重要な自己評価力に関する理論的な検討を行った。具体的には、コンピテンシー概念と関連付けて自己評価力の枠組みを構築すべく、幅広く国内外の文献調査を行い、仮説の生成を試みた。能力の〈所有論〉〈関係論〉という視点から自己評価力の両面性を捉える枠組みなどを仮説的に素描し、研究室内で報告したが、その妥当性については引き続きの検討の余地を残した。修正の方向性として、能力論としてだけでなく授業論として検討を行うことなど、多面的に探索した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21J15102
ID情報
  • 課題番号 : 21J15102
  • 体系的番号 : JP21J15102