2020年11月
歯根膜組織由来間葉系幹細胞シートの実用化に向けた取り組み
口腔病学会雑誌
- 巻
- 87
- 号
- 2-3
- 開始ページ
- 54
- 終了ページ
- 59
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 口腔病学会
細胞治療を実施するために必要な要件とその普及に向けて著者が取り組んできたことを紹介するとともに、現時点での問題点と克服すべき課題を提案した。本稿では以下の項目で述べた。1)細胞シート工学、2)歯根膜細胞採取の最適化、3)非臨床研究1:小動物実験、4)非臨床研究2:中動物実験、5)臨床研究「自己培養歯根膜細胞シートを用いた歯周組織の再建」、6)細胞を用いた製品に対する行政の対応(再生医療三法)、7)自己から同種歯根膜由来間葉系幹細胞への移行、8)臨床研究か、治験か、9)他家細胞を用いた医師主導治験、10)他疾患への応用。著者らは、3年弱の時間をかけて、2011年4月に臨床研究「自己培養歯根膜細胞シートを用いた歯周組織の再建」を開始した。これは、患者から不働歯を抜去し、患者の自己血清を用いて培養し、3層化した細胞シートを移植する技術の臨床研究である。2016年度からは同種歯根膜由来間葉系幹細胞製品の安全性・有効性評価指標の確立を実施した。
- ID情報
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- ISSN : 0300-9149
- eISSN : 1884-5185
- 医中誌Web ID : 2021067649