歩行の再トレーニングは，腹部を引き込むドローインという方法を用いて，規定の腹囲減少（腹部筋の収縮）を開発したベルトを用いて臨床現場で実施した．最終的に23名を取り込み，脱落者1名を除いた22名に対し感染症拡大禍においても6週間の介入研究が実施できた．その結果，膝痛の軽減，姿勢の改善（胸椎後弯角の減少）が得られたが，体重の変化はなかった．
20分間の通常歩行とドローインベルトを使用した歩行の酸素消費量，血糖値測定を実施した．酸素消費量はベルトを使用した場合に上昇したが，血糖値の変化は歩行中，歩行直後では変化はなかった．
変形性膝関節症の膝にかかる負担（膝関節内反モーメント）を臨床で計測できるように，慣性センサのみで地面反力を含む力学負荷を推定し，歩行中の関節部の半月板や軟骨などの詳細な応力分布を求めることができた．