瑞浪超深地層研究所における岩盤へのグラウト影響評価技術開発; グラウト材料及びその周辺岩盤の経時変化の把握
平成29年度日本応用地質学会中部支部技術交流会
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- 開催年月日
- 2017年10月
- 記述言語
- 日本語
- 会議種別
- 開催地
- 富山
- 国・地域
- 日本
地層処分における処分場建設においては、大量のセメント系材料の使用が想定され、周辺岩盤に影響を与える可能性がある。そのため、セメント系材料が岩盤に与える影響の把握とその分析手法を確立するために、グラウト材料(普通ポルタランドセメント)の経年変化を把握することを目的として、瑞浪超深地層研究所の深度300m研究アクセス坑道プレグラウチング施工領域から採取した施工後3年経過した試料と6年経過した試料を観察した。その結果、岩盤側にはグラウト材料の影響と考えられるような新たな鉱物の形成や鉱物の溶脱などの変化は認められなかった。一方、グラウト材料においては方解石が認められたが、比較のために作製したセメント供試体の薄片観察結果から、地下水中のHCO$_{3}$$^{-}$とグラウト材料のCaの反応によって方解石が形成されたと考えられる。また、地下水中のpHやCa濃度の変化から、グラウト材料の変化により高透水性となり湧水量増大によるpHの低下や、ポルトランダイト溶脱後のC-S-H溶脱開始によると思われるCa濃度低下が認められた。今後は、広い領域を対象とした鉱物組成の把握や、グラウト材料と岩盤コアを用いた室内通液接触試験により、水質やグラウト材料の変遷メカニズムについて検討を進める。