共同研究・競争的資金等の研究課題

2019年4月 - 2022年3月

肝臓期マラリア原虫に対するバキュロウイルス自然免疫応答による殺傷メカニズム解析

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
19H03458
体系的課題番号
JP19H03458
配分額
(総額)
17,290,000円
(直接経費)
13,300,000円
(間接経費)
3,990,000円

肝臓期のPlasmodium bergheiが感染したBALB/cマウスにバキュロウイルス(BV)を筋肉内接種すると、肝臓期原虫は完全に排除される。BV接種時にはマウス血中にIFN-aやIFN-gが強力に産生誘導される。本研究では、(1)BVによる原虫排除におけるIFNシグナル伝達の重要性を検証するとともに、(2)BVが接種されたマウスの肝臓における遺伝子発現解析を網羅的に行い、原虫排除に不可欠な新規のエフェクター分子の探索を試みた。
IFNシグナル伝達を欠いたC57BL/6マウスにスポロゾイトを感染させ、BV接種の有無で肝臓期原虫が排除されるか、野生型マウスと比較した。野生型マウスでは対照群に比べ、BV接種群で原虫血症が3日間遅延し感染を抑制する効果が認められた。一方、IFN-gR1-/-マウスでは部分的に、IFN-aR1-/-;マウスでは完全にBVによる感染抑制効果が消失した。BVによる原虫排除メカニズムにはI型IFNによるシグナル伝達が必須と考えられた。同定されたI型IFNのシグナル伝達経路の下流ではIFN-stimulated genesが発現誘導されるが、その数は300種類以上にのぼり、エフェクター分子の探索を困難とさせる。そこで、原虫排除に関与しないTLR9シグナル伝達経路に着目し、同経路で活性化された遺伝子群を除外することで、原虫排除に関連する遺伝子群の同定を試みた。野生型マウスならびにTLR9-/-マウスにBVやTLR9リガンドであるCpG ODN1826を接種し、6時間後の肝臓サンプルをDNAマイクロアレイに供した。PBS対照群に比較してBV接種した野生型マウスでは562種類の遺伝子が2倍以上の遺伝子発現上昇を示した。このうち、TLR9非依存的に発現上昇した遺伝子は39種類あり、肝臓期原虫の排除に関与することが予想される。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-19H03458
ID情報
  • 課題番号 : 19H03458
  • 体系的課題番号 : JP19H03458

この研究課題の成果一覧

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