2008年7月
大動脈瘤に起因する慢性播種性血管内凝固症候群を呈した家族性高コレステロール血症の1例
住友病院医学雑誌
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- 巻
- 号
- 35
- 開始ページ
- 45
- 終了ページ
- 50
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- (一財)住友病院
症例は85歳,女性.50歳頃から家族性高コレステロール血症の診断にて治療を開始,75歳時には解離性大動脈瘤を認め保存的に経過観察されていた.数日前より全身の紫斑に気付き当院受診し,大動脈瘤に起因する慢性播種性血管内凝固症候群(DIC)と診断された.動脈瘤に対する手術は困難であったため,蛋白分解酵素阻害薬であるメシル酸カモスタットと抗線溶薬であるトラネキサム酸とを併用したところ,DICはコントロールでき外来通院可能となった.本症例は家族性高コレステロール血症に合併しており,高度の動脈硬化のため動脈瘤内に多量の血栓を形成し慢性DICを呈したものと考えられた.大血管病変に起因する慢性DICに対する治療は標準化されておらず,適切な治療を確立するためにも今後多数例での前向きの検討が望まれる.(著者抄録)
- リンク情報
- ID情報
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- ISSN : 0285-8177
- 医中誌Web ID : 2009056986
- J-Global ID : 200902274615918428