2016年3月
肺癌脳転移と鑑別を要した脳アミロイドアンギオパチー関連炎症の1例
市立豊中病院医学雑誌
- 巻
- 16
- 号
- 開始ページ
- 43
- 終了ページ
- 47
- 記述言語
- 日本語
- 掲載種別
- 出版者・発行元
- 市立豊中病院
77歳男。1年4ヵ月前に左肺腺癌に対して肺上葉切除術を施行された。今回、右上下肢に一過性麻痺が出現し、近医受診したところ頭部MRIで左後頭葉・側頭葉に異常陰影を認められ、肺癌脳転移の疑いで当院に紹介された。造影MRIで左後頭葉・側頭葉に造影効果は認めず、同部位にはT2*画像で微小出血後変化を多数認め、脳アミロイドアンギオパチー関連炎症(CAAI)の可能性が示唆された。外来で経過観察中、痙攣発作を起こして入院となり、確定診断目的に脳生検を行ったところ、左後頭皮質の細動脈にアミロイド沈着が認められ、CAAIと診断された。ステロイド治療を行ったところ、MRI所見の著明な改善がみられた。
- ID情報
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- ISSN : 1345-9317
- 医中誌Web ID : 2016362550
- J-Global ID : 201602211000972027