共同研究・競争的資金等の研究課題

2017年4月 - 2020年3月

注意の逆説的投資効果とニューロフィードバック

日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

課題番号
17H02648
体系的課題番号
JP17H02648
配分額
(総額)
17,810,000円
(直接経費)
13,700,000円
(間接経費)
4,110,000円

本年度は,注意の意図的制御,および自動的制御の両側面からの行動実験を実施した。意図的制御に関しては,作業記憶に探索すべき属性を残してから探索する,能動的注意条件と,探索すべきではない属性を残してから探索する,能動的抑制条件,および無関係な属性を残してから探索する統制条件を設けた。こうした実験では,能動的注意条件が探索を容易にさせる効果があることはこれまでに頑健に示されてきた。しかし,能動的抑制条件に関しては見解に不一致があり,属性の抑制が可能であるという知見と,それを否定する知見が混在していた。詳細に従来の知見を比較したところ,鍵となる要因はおそらく2つあり,1つは空間配置の交絡,もう1つは手がかり先行時間であった。本年度実施した実験では,先行研究では攻落していた空間配置を分離することができ,さらに,これまで知られていなかった形状次元での抑制効果を見出すことができた。この際,手がかりの先行時間が重要であることがわかった。従来,能動的抑制が効かないと主張する研究では,手がかりの先行時間は比較的短め(500-1000ms程度)であり,一方で抑制効果を見出していたものでは1300msよりも長かった。本年度はこの手がかり先行時間を体系的に操作したところ,1500msよりも長い条件で抑制効果を見出すことができた。この結果から,意図的抑制が起こるためには,長い手がかりの先行時間時間が必要であることが結論できる。この成果はAttention, Perception & Psychohysics誌に投稿・改稿中である。自動制御に関しては,個人特性(不安傾向)の高低と,ネガティブ表情および中立表情顔への注意捕捉の程度が相関することを見出した。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-17H02648
ID情報
  • 課題番号 : 17H02648
  • 体系的課題番号 : JP17H02648