共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2020年3月

メダカを用いた小胞体ストレスに起因するアポトーシス分子機構の解析

日本学術振興会  科学研究費助成事業 特別研究員奨励費  特別研究員奨励費

課題番号
18J14647
体系的課題番号
JP18J14647
配分額
(総額)
1,500,000円
(直接経費)
1,500,000円
(間接経費)
0円

本研究は細胞内の小胞体ストレス応答機構において小胞体ストレスに起因するアポトーシスの分子メカニズムを明らかにすることを目標とする。細胞を用いたin vitroレベルでの実験系は薬剤を処理し小胞体ストレスを引き起こすが、その場合細胞内の様々な経路が同時に誘導されるため解析が混乱である。この問題点を解決するため生理的に生じる小胞体ストレスに着目しメダカをモデル動物として用いたin vivoレベルでの解析にアプローチし研究を行なっている。
現在メダカの発生段階に生じる生理的小胞体ストレスとアポトーシスの誘導、また持続的小胞体ストレスにより異常な表現型が生じるメダカであるmeigo遺伝子欠損メダカを用いて小胞体ストレス応答機構の誘導とそれに起因するアポトーシスの関係性を調べている。今年度はアポトーシスの可視化のため4種類の蛍光タンパク質それぞれを用いたアポトーシス可視化メダカを作出し、発生段階で生じる生理的アポトーシスの観察に成功した。次にmeigo遺伝子欠損メダカと掛け合わせ異常な表現型におけるアポトーシスの誘導の観察を行った。その結果、レンズや心臓など組織特異的にアポトーシスが誘導されることが観察され、さらに小胞体ストレス応答機構の誘導も組織特異的に異なることがわかった。また小胞体ストレス応答機構の中アポトーシスの誘導に関与していると考えられているPERK経路が欠損されたメダカと掛け合わせを行い解析した。その結果、PERKとmeigoのダブルノックアウトの場合、より強いアポトーシスの誘導と重篤な表現型が観察され、PERKが直接アポトーシスの誘導と表現型に関与している可能性は低いと考えられた。

リンク情報
KAKEN
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-18J14647
ID情報
  • 課題番号 : 18J14647
  • 体系的課題番号 : JP18J14647