共同研究・競争的資金等の研究課題

2018年4月 - 2022年3月

宗教共同体における周期的儀礼と経済の研究―禅清規に記される役職交代と交割を中心に

日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究
  • 金子 奈央

課題番号
18K12211
配分額
(総額)
3,380,000円
(直接経費)
2,600,000円
(間接経費)
780,000円

本研究は、唱衣法―住持や僧侶が死亡した際にその遺品を競売にかける儀礼―の宗教学的研究を土台として、①禅宗清規に記載される、叢林の周期性(住持の入院儀礼や役職交代)に関わる儀礼と、それに伴う経済的側面である「交割」(寺院財産の確認点検および補填)の記述につき文献学的に読解する。②こうした文献学的読解を基礎として、叢林内の儀礼とその経済的側面が、宗教共同体の維持とどのように関わるのか、宗教学的観点から考察することによって、共同体の構成要素である役職の周期的新生や再生に関連する儀礼・それに伴う経済的側面と、宗教共同体の存続・維持との有機的関連を明らかにしようとするものである。
2018年度は中国禅宗清規類に記載された禅宗清規における交割の事例、および交割の際に使用される帳簿の記述について読解作業をすすめた。これを土台として、交割に関わる記述に見られる「互用」や「別用」に関わる罰則に焦点を当てて、中国仏教における戒律解釈文献にその用例と源を探り、平成30年度の日本印度学仏教学会第69回学術大会にて「禅宗清規における「互用」とその背景」と題して研究発表を行い、『印度學仏教學研究』第67巻第1号に同名の査読論文が掲載された。
研究テーマの一つである周期的儀礼に関わる一面として、禅宗清規に記載される葬送において重要な役割を果たす「モノ」―真影や鉢盂など―についても考察を行った。その成果としては、日本宗教学会第77回学術大会での「葬送における死者の表象-禅宗清規の事例から」と題した研究発表や、東洋大学東洋学研究所・研究発表例会での「『徹通義介喪記』における衣と鉢盂―<物質文化研究>の視点から」と題して研究発表を行った。
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